断層名 | 阿寺断層(川上の断層露出地点) | あてらだんそう (かわうえのだんそうろしゅつちてん) |
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場所 | 中津川市川上上平 | |
概要 | 北西~南東方向に延びた巨大な濃飛流紋岩の岩体を同じ方向に大きく二分するように阿寺断層が走っている。これにより岩体と断層の形成に因果関係があるような印象を与えるが、まったくの偶然であり、両者に直接的な関係も間接的な関係もない。阿寺断層による運動の変位量はそれ以前に形成された濃飛流紋岩などの地質構造を基準として確認できる。中津川市付知(つけち)町付近より南東においては、濃飛流紋岩を地下から広域にわたり貫いている苗木花崗岩が阿寺断層の北東側に露出し、断層を挟んで南西側に分布する濃飛流紋岩と接するように分布しており、この分布状態は最大で8~10kmの左横ずれ運動と同時に最大で700~800mの北東側隆起の縦ずれ運動をしている阿寺断層の変位状況をそのまま表わしていることになる。その両者がこの場所で明確に断層で接している状態が見られる。 | |
ジオ点描 | 形成時期や性状が明確に異なる岩石が断層で接している状態はきわめて普通にみられる地質環境である。しかしそれをピンポイントで確認できる場所は実際にはきわめて少ない。断層付近をその両側からぎりぎりまで境界部を追跡することはよくあるが、被覆物や植生などにより確認できないことが多い。それだけに確認できる場所は貴重であり、それを目の前にすると何故か興奮すら覚えてしまう。 | |
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写真 | 中津川市川上上平に露出した阿寺断層による濃飛流紋岩(左)と苗木花崗岩(右)の境界 (提供:丹羽正和) |
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写真 | 準備中 |