熊石洞
郡上市八幡町から和良(わら)町にかけての地域に分布する美濃帯堆積岩類の石灰岩に形成された鍾乳洞の1つであるが、それらのほとんどは横穴洞であるのに対して、最大級の縦穴洞を作っている鍾乳洞である。延長707m、高度差130mにもおよぶ鍾乳洞で、洞穴口から約20mの垂直穴があり、さらに30m下がった地点から55mにも及ぶ垂直穴になっている。この穴に落ちた大型動物の歯・角・足の骨などの数千点におよぶ化石が鍾乳洞内部の堆積物中から発見されており、それらは「美山動物群」と呼ばれ、草原で生活していたナウマンゾウやオオツノジカ、針葉樹林帯の湿地で生活していたヘラシカなどである。化石の骨から最終氷期にあたる約17,000年前という年代値が得られており、当時の郡上地域は現在のシベリアのような寒冷気候で、森林と草原が接しているような環境であったと推定されている。なお、この鍾乳洞は観光洞になっていない。
地質年代
熊石洞
郡上市八幡町から和良(わら)町にかけての地域に分布する美濃帯堆積岩類の石灰岩に形成された鍾乳洞の1つであるが、それらのほとんどは横穴洞であるのに対して、最大級の縦穴洞を作っている鍾乳洞である。延長707m、高度差130mにもおよぶ鍾乳洞で、洞穴口から約20mの垂直穴があり、さらに30m下がった地点から55mにも及ぶ垂直穴になっている。この穴に落ちた大型動物の歯・角・足の骨などの数千点におよぶ化石が鍾乳洞内部の堆積物中から発見されており、それらは「美山動物群」と呼ばれ、草原で生活していたナウマンゾウやオオツノジカ、針葉樹林帯の湿地で生活していたヘラシカなどである。化石の骨から最終氷期にあたる約17,000年前という年代値が得られており、当時の郡上地域は現在のシベリアのような寒冷気候で、森林と草原が接しているような環境であったと推定されている。なお、この鍾乳洞は観光洞になっていない。