付知大門の断層崖
中津川市付知の町は阿寺断層に沿って北西~南東方向に流れる付知川の流路に沿って細長く延びて作られている。その中で北西部にあたる大門地区から倉屋地区にかけて北西~南東方向に直線状に延びた崖がみられる。この崖が阿寺断層の断層崖であり、その南東端の大門では北東側が8~13mほど高い崖がみられる。ここでは断層の北東側が隆起しつづけながらも、崖の下に南西側の谷から流出した土砂が扇状地を作って溜まっていったため、目に見える断層崖の高さは実際にずれた高さよりも低くなっている。断層崖を真横にあたる南西側の扇状地の高所からから眺めると、大門から北西に向かって直線状に延びた土手状の高まりにより手前の扇状地からもたらされた土砂がせき止められるようにぶつかっている様子を捉えることができる。ボーリング調査によれば、実際に断層を境にして約26mも縦ずれを起こしており、1回の活動による平均移動量は左横ずれで4~5m程度、縦ずれで1~2m程度とされている。約26mの縦ずれはこの断層崖が10回以上の断層活動を経て現在の姿になったことを示している。
地質年代