三尾断層
三尾断層は、高山市国府町瓜巣(うりす)付近から清見(きよみ)町三尾を経て、国道158号の通る小鳥(おどり)峠付近まで東北東~西南西方向に走り、そこから北東~南西方向に向きを変えて滝ヶ洞山(標高1249m)の南側を通り、清見町隣野付近まで延びる全長17~18kmの右横ずれ断層である。すぐ南東隣をほぼ平行して走る牧ヶ洞断層や同じく北西側を走る夏厩(なつまや)断層などとともに「国府断層帯」と呼ばれる断層群をなし、各所で河谷や尾根の右ずれ屈曲を示す。
牧ヶ洞断層
牧ヶ洞断層は、高山市赤保木(あかほぎ)町付近から同市荘川町へかけて東南東~西南西方向へ全長約20kmにわたって延びる。この断層は、畦畑(うねばた)断層などとともに「国府断層帯」と呼ばれる断層群に含まれ、その最も南にあたる断層である。断層を境に小さな川の流路が20mほど右にずれて屈曲しており、他の国府断層帯の断層と同じように右横ずれ断層をなしている。また、中部縦貫自動車道の高山西ICの西方にある岐阜県畜産研究所の斜面の南端にある比高20~30mの小高い山列は断層の活動によりその南東側が隆起したことで形成されたものである。清見(きよみ)町の大倉滝の上流にある小盆地において2001(平12)年に行われたトレンチ調査によれば、断層の活動間隔は3,600~4,300年程度で、最新の活動時期は約4,700年前以後と推定されている。横ずれ運動の平均移動量は1,000年あたり0.7mであり、この断層の活動度はB級(10cm~1m/1000年)ということになる。
地質年代