地 名 八反滝 はったんだき
  場 所 郡上市白鳥町石徹白(いとしろ)  指定等
   概 要
   日本海へ注ぐ九頭竜川水系となる石徹白(いとしろ)川の支流初河谷(はっこだに)にあり、白山火山列丸山火山から噴出した溶岩層にかかる落差約30mの滝である。瀑布が長さ八反の白布のように見えることからこの名があるが、“反”という長さの単位はきわめてあいまいであるために現在の長さに換算できない。
 
白鳥町石徹白の石徹白川支流初河谷に架かる八反滝
(撮影:鹿野勘次)
 
  ジオ点描
【火山体内の瀑布に共通】 瀑布というとほぼ垂直に落下するものを思い浮かべることが多い。とりわけ火山体の中に架かる場合にはほとんどがこれにあたる。降雨などの水量が多くなる立地環境に加えて、火山噴出物の中に相対的に堅硬な溶岩層などと軟弱な火山砕屑岩層などが積み重なっている場合がしばしばあり、削剥への抵抗力が極端に異なる地質環境が備わっているからである。
 
  文 献
白山火山列
岐阜・石川県境にある白山(標高2702m)を中心とする両白山地北部に分布する火山群のうち、更新世中期以降に形成された火山群で、北から南へ向かって戸室火山・白山火山・両白丸山火山・毘沙門岳火山という4つの火山体があり、これらのうち戸室火山を除いて岐阜県地域に分布する。なお、鮮新世~更新世前期に形成され火山群を九頭竜火山列といい、それは北西~南東方向に並ぶ。
丸山火山
白山火山の南方において九頭竜火山列に属する銚子ヶ峰火山の南東側にあり、丸山(標高1786m)・芦倉山(標高1716m)にまたがって分布する火山体である。ほとんど安山岩質の溶岩類からなり、小規模な火砕流堆積物をともなう。ただし、公表された論文がほとんどないため、詳細は不明である。



地質年代