災害名 9.28豪雨災害
発生年月日 1983(昭58)年9月28日 主要被災地 美濃加茂市・坂祝町地域
 災害要因 台風と秋雨前線の活動による集中豪雨
概 要
   木曽川・飛騨川流域での河川増水が集中したことで、木曽川中流の美濃加茂市や坂祝町で越水氾濫がおき、被災家屋4,000戸以上、浸水面積290ha、被害総額約219億円という大きな被害が生じた。ただし、美濃加茂市街地では木曽川の堤防が高いために木曽川の越水氾濫は起きずに、支流の加茂川が合流する地点においては排水口が止められたことでその排水ができなくなり氾濫滞留した。集中豪雨を要因としながらも土砂災害にあたるものはほとんど発生しておらず、ほぼ洪水災害だけと言えるものであった。そのため集中豪雨を受け止めるダムや堤防の役割が問い直されるようになり、河川上流での治山治水にも目が向けられるようになった災害であった。実際には八百津町にある丸山ダムが満水状態になり、洪水調節機能も限界に達したことで非常放水にまで至ったことで下流で災害が発生した。このことを受けてダム堤のかさ上げをして洪水調節機能を高める新丸山ダムの建設事業が進められている。
9.28豪雨災害後に坂祝町勝山に設置された陸閘
(撮影:木澤慶和)
 
ジオ点描
   水の威力は想像を絶すると言ってよい。普通の日常生活では水はありふれた不可欠の存在としてあまり脅威を感じるようなことはないが、量が増えたり流れが速くなると、しかもその変化がわずかであっても凶器と化すほどの威力を備えてしまう。それは河川水であってもかなり強い力となって働くからであり、海水であれば津波として実感している。これもジオの一側面を表している。
 
文 献 (一社)中部地域づくり協会 地域づくり技術研究所HP(2014)9.28豪雨災害
美濃加茂市総務課(1987)忘れ得ぬ9.28災害 災害誌.188頁.






地質年代