片理
結晶片岩に特徴的に表れ、柱状、板状、鱗片状などの結晶が一定方向に並ぶことで生じる縞状(線状片理)あるいは面状(面状片理)に表れる構造。
ブラストミロナイト~ウルトラミロナイト
神岡町市街地北東方から小鳥(おどり)川流域にかけて北東~西南西方向に延びて分布する眼球花崗岩~眼球片麻岩にともなって狭長な形で帯状に分布する。眼球片麻岩に比べて圧砕作用による細粒化がいっそう進んだ岩相であり、より円磨度の高いカリ長石の残晶を含む。やや優黒質部と優白質部との縞状構造がみられ、片理が顕著である。
粗粒ピンク花崗岩
飛騨市神岡町東方~南方一帯から、高原川および金木戸(かなきど)川流域に広く分布し、これまで「船津花崗岩類」の名で知られてきたものである。おもに粗粒塊状で等粒状~斑状の花崗岩~花崗閃緑岩からなり、淡紅色~赤色のカリ長石を含むことを特徴とし、しばしば閃緑岩~トーナル岩などのやや苦鉄質の岩相と混在する。一部で変形・再結晶などの変成作用を受けており、とりわけ神岡町市街地付近では著しく圧砕作用を受け、片理を示す。同様の変成した花崗岩は飛騨帯各地に分布する。いっぽう、高山市宮川町打保(うつぼ)付近に分布する打保岩体では変形・再結晶があまり見られないことから、同じ岩相を示す岩石でも形成時期にかなり幅があり、2億4000万年前ごろの広域変成作用の時期を挟んで新旧異なる時期の岩相を含んでいる。
トーナル岩
広い意味の花崗岩質の岩石を区分する場合、カリ長石が斜長石より多い岩石を狭義の花崗岩、カリ長石と斜長石がほぼ等量の岩石をアダメロ岩、カリ長石が斜長石より少ない岩石を花崗閃緑岩といい、花崗閃緑岩よりさらにカリ長石に乏しい岩石をトーナル岩と呼ぶ。いっしょに含まれる有色鉱物は一般に角閃石か黒雲母で、化学組成としてNa2Oに富み、K2Oに乏しい特徴がある。
地質年代