施設名 スーパーカミオカンデ -
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場所 飛騨市神岡町東茂住(ひがしもずみ)456
電話 0578-89-2133
HP http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/
管理者 国土交通省北陸地方整備局神通川水系砂防事務所
開館年月 1984(昭59)年
施設概要    素粒子の1つであるニュートリノ(中性微子)を観測するために、前身のカミオカンデ(1983(昭58)年設置)と同じ原理で作られ、その大型化・高性能化された施設である。旧神岡鉱山の茂住坑の坑道を利用して1991(平3)年から5年をかけて地下1,000mに5万トンの超純水を蓄えた直径39.3m、深さ41.4mの円筒形のタンクが作られ、その内部に約13,000本の光電子増倍管と呼ばれる光センサーが設置してある。それらによりチェレンコフ放射と呼ばれる光を検出し、太陽ニュートリノを観測することにより太陽内部の活動を直接知ることや宇宙の初期から起きてきた数多くの超新星爆発由来のニュートリノを捉えて宇宙の歴史を探ることなど、いくつかのテーマで研究がすすめられている。なお、この施設の見学はできないが、研究を紹介する展示施設『ひだ宇宙科学館 カミオカラボ』(無料)が「道の駅 宙(スカイ)ドーム・神岡」(神岡町夕陽ヶ丘6)内に設置されている。
ジオ点描    地下資源を得るために掘削された大地の内部から宇宙空間を覗くというのは逆転の発想のような設定であるが、大地を出発点としてそれを巧みに利用できたことで可能になったプロジェクトである。内部の装置・設備はともかくとして大地に巨大な空洞を開けることはきわめて単純なことであるが、とてつもなく大きな仕事であると考えてよく、鉱山開発が基礎にあったから可能になったのであろう。
出版物
  • 写真 スーパーカミオカンデ
    上:イメージ図(提供:東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設)
    下:イラスト図(提供:石橋祥二)
    写真 準備中
    神岡鉱山
    鉱山の歴史は古く、採掘は奈良時代に始まる。1874(明7)年に当時の三井組が本格的な開発をはじめ、近代的な手法により大規模な採掘がなされ、約130年間の総採掘量は7,500万トンにも達している。一時は東洋一の鉱山として栄えたが、2001(平13)年6月に鉱石の採掘を中止した。飛騨帯構成岩類の飛騨変成岩類のうち、おもに結晶質石灰岩を火成岩起源の熱水が交代したスカルン鉱床を稼行対象とした鉱山で、栃洞(とちぼら)坑、茂住(もずみ)坑、円山(まるやま)坑などの鉱床がある。亜鉛鉱石の主要鉱物である閃亜鉛鉱に含まれるカドミウムを原因とする公害病「イタイイタイ病」が下流域の富山県神通川流域で大規模に発生したことはよく知られている。また、茂住坑の跡地はスーパーカミオカンデとしてニュートリノ観測装置に利用されている。なお、2007年に日本地質学会により「日本の地質百選」に選定されている。




    地質年代