施設名 光ミュージアム ひかるみゅーじあむ
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場所 高山市中山町175
電話 0577-34-6511
HP http://h-am.jp/
管理者 (一般財団法人)光ミュージアム
開館年月 1999(平11)年4月
施設概要    美術館と博物館の機能を備えた複合型施設で、当初は宗教団体の総合博物館「光記念館」として開館したが、2002(平14)年に岐阜県の登録博物館として認可を得て、収集した博物資料などを公開して公共施設として広く一般に利用されており、2013(平25)年2月より現在の名称に変更された。常設展は飛騨・人類史・美術の3展示室で構成されており、それらのうち飛騨展示室には飛騨地域の地質特性を生かした化石・岩石、とりわけ飛騨外縁帯構成岩類手取層群から産出した化石・岩石が多く展示されており、新種化石7点を含む約13,000点が収蔵されている。
ジオ点描    飛騨高山という施設の立地条件から、周辺の飛騨地域の大地からもたらされた化石や岩石が収集されているが、すべてが網羅されているわけではなく、収集しやすいなどの限られた条件下での標本にならざるを得ない。それでも新種の化石も含まれており、それらを積極的に展示して飛騨地域のジオの一端に触れられる機会が設けられていることは貴重である。
出版物
  • 光記念館研究紀要 自然科学 第1号(2002)~
  • 写真 光ミュージアムの外観
    (提供:宗教法人崇教真光)
    写真 準備中
    飛騨外縁帯
    飛騨外縁帯は、飛騨帯の南側を取りまくように幅数~30kmほどで細長く分布する地質帯である。岐阜県地域では飛騨山脈の槍ヶ岳(標高3180m)付近から高山市の奥飛騨温泉郷、丹生川町北部~国府町地域、清見町楢谷(ならだに)、郡上市白鳥町石徹白(いとしろ)などに断片的に配列して露出している。そこを構成している岩石はかなり変化に富み、古生代に形成された非変成の砕屑岩類や火山岩類、結晶片岩などからなる変成岩類、超苦鉄質岩(U)から変化した蛇紋岩と呼ばれる岩石などである。これらの岩石は、飛騨帯構成岩類を一部に含めた当時の大陸(中朝地塊と呼ばれる)の東縁で形成された陸棚や浅海性の堆積物および火山砕屑物が中生代ジュラ紀中ごろまでに大規模な横ずれ運動をともなって飛騨帯構成岩類と接するようになり、その過程でもたらされた変成岩類や超苦鉄質岩を断片的にともなって形成されたと考えられている。ただし、飛騨外縁帯と飛騨帯との間には、富山県地域や新潟県地域などにおいて宇奈月帯あるいは蓮華帯と呼ばれる変成岩類で構成された地帯が分布しており、岐阜県地域においてもそれらとよく似た性質の岩石が断片的に分布するが、よくわかっていない点もあるため、ここではすべて飛騨外縁帯の構成岩類として扱う。
    手取層群
    手取層群は、福井県東部から石川県南東部、岐阜県北部、富山県南部へかけての地域に分かれて分布し、中生代のジュラ紀前期から白亜紀前期にかけての時代に形成された海成~陸成の地層である。おもに砂岩・泥岩・礫岩などの砕屑岩類からなり、恐竜などの爬虫類化石を産出することで知られる。大きくみると浅海成層から陸成層へと移り変わっていることで、これまでは3つの亜層群(九頭竜・石徹白(いとしろ)・赤岩亜層群)に区分されていた。しかし、これら3亜層群の区分に関しては、形成時代の見直しが化石(特にアンモナイト化石)に基づいて進められてきたことで、堆積環境の変遷も含めていくつかの見解が示されており、それにともなっていくつかの層序区分の考えが示されてきた。ここではこれまでに一般的に用いられてきた3亜層群の名称をそのまま用い、形成時期に重点をおいた区分として、九頭竜・石徹白亜層群の境界をほぼ中生代ジュラ紀と白亜紀の境界(約1億4,550万年前)、石徹白・赤岩亜層群の境界をほぼ白亜紀前期の約1億2,500万年前として表現する。ただし、分かれて分布する個々の地域すべてから時代決定に有効な化石が産出するわけではなく、年代測定の問題も含めて課題の残された地域もあるため、ここでは現段階での資料に基づいて区分し、時代不明の未区分層(Tu)として扱う地域もある。岐阜県地域において区分できる地域では、九頭竜亜層群は分布せず、石徹白・赤岩亜層群が分布し、それぞれ石徹白亜層群相当層、赤岩亜層群相当層として記述する。



    地質年代