施設名 瑞浪市化石博物館 みずなみしかせきはくぶつかん
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場所 瑞浪市明世(あけよ)町山野内1-13
電話 0572-68-7710
HP https://www.city.mizunami.lg.jp/kankou_bunka/1004960/kaseki_museum/index.html
管理者 瑞浪市
開館年月 1974(昭49)年5月
施設概要    1971(昭46)年に始まった中央自動車道の建設工事にともなって瑞浪層群が大規模に掘削され、保存のよい貴重な化石が大量に産出したことで、それらを整理して展示する施設として設置された。その他にもデスモスチルスをはじめとして瑞浪市周辺に分布する瑞浪層群から産出した化石を中心に25万点以上もの化石が収蔵・保管され、それらのうち約3,000点の化石が常設展示室で展示されており、市内各所から採集された化石をもとに瑞浪地域が湖や海であった時代のようすを解説している。そうした収蔵・展示だけでなく化石に関する優れた研究をすすめ、成果を公表している機関として貴重な役割を果たしている。なお、博物館の南方約1.5kmの土岐川河川敷にある博物館指定の「野外学習地」では、博物館受付で立入届を提出すれば無料で誰でも化石採集体験ができるようになっている。
ジオ点描    例えば恐竜などの大型動物化石といった目立ったり、見栄えのする化石が発見されると、しばしばそれを材料にして地元に博物館や資料館などの施設が建設されることがある。それには当該の化石の保存や展示が目的としてあり、それ自体は大切な役割である。ただし、そこから始まるとしても将来へ向けた発展を想定して準備していかないと、当初の役割すら果たせなくなるような事態になりかねない。
出版物
  • 瑞浪市化石博物館研究報告 第1号(1974)~【第46号(2020)よりオンライン版】
  • 瑞浪市化石博物館専報 No.1(1980)~No.8(1997)(不定期刊行;廃刊)
  • 写真 瑞浪市化石博物館の入口階段
    (撮影:木澤慶和)
    写真 瑞浪市松ヶ瀬町の土岐川河川敷に広がる「野外学習地」
    (撮影:小井土由光)
    瑞浪層群
    新第三紀の中新世に西南日本の古瀬戸内海と呼ばれる海に堆積した地層群の一つで、岐阜県の中濃地方から東濃地方へかけての可児・瑞浪・岩村の3地域に分かれて分布する。可児地域では下位から蜂屋累層、中村累層、平牧累層に、瑞浪地域では同じく土岐夾炭累層、本郷累層、明世累層、生俵累層に、岩村地域では同じく阿木累層、遠山累層にそれぞれ区分されている。これらは、大きくみると淡水域から汽水域、海域へと堆積環境が変化していったが、設楽層群などの他地域に分布する地層群に比べると浅海性の傾向がみられる。
    デスモスチルス
    中新世前期から中期にかけて北太平洋沿岸地域に生息し、海岸や浅海で暮らしていた哺乳類で、象牙質の芯をエナメル質が取り巻いた円柱がいくつも束になった独特の形状をしている頬歯に特徴がある。そのため、ギリシア語で「束ねられた(デスモス)柱(スティルス)」を意味している学名を与えられ、分類上も“束柱目”にされている。体長1.8mほどのカバに似た体形をもつと推定されている。当初は歯の化石だけがみつかったが、瑞浪層群の明世累層から頭骨化石が最初に発見され、後に樺太から全身骨格が発見されている。同じ束柱目に属するパレオパラドキシアよりも特殊化した種類とされている。



    地質年代