施設名 さぼう遊学館 さぼうゆうがくかん
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場所 海津市南濃町奥条(おくじょう)
電話 0584-55-1110
HP https://www.pref.gifu.lg.jp/page/2259.html
管理者 海津市/岐阜県砂防課
開館年月 1994(平6)年
施設概要    山地や河川などにおいて土砂の崩壊や流出を制御して土砂災害を防止する手段やその事業を総称して「砂防=SABO」といい、これは日本発の世界共通の用語でもある。養老山地における砂防事業の基礎は明治政府が招聘したオランダ人技師ヨハネス・デ・レーケにより築かれ、その指導により建造された羽根谷巨石積み堰堤は事業を象徴する施設であり、それを中心として整備された「羽根谷だんだん公園」において土砂災害の減災啓発を目的として開館した施設である。羽根谷周辺の自然と砂防施設を材料にして土石流実験装置や映像学習などを通して楽しく遊びながら理解していけるように工夫されている。大地が引き起こす土砂災害とそれに対する防災(砂防)というテーマでの施設はユニークな存在であり、2017(平29)年に土砂災害に関する知識や避難方法について学習・研修する施設としてリニューアルしている。岐阜県内においてこれと同種の施設として高山市奥飛騨温泉郷に奥飛騨さぼう塾がある。
ジオ点描    土砂災害は集中豪雨などを直接的な原因として起こることが多いが、そもそもは大地が削られて土砂が作られていなければならない。さらにそれを大幅に増やして多量に流出させるためには、大地を激しく隆起させることで多くを削り出す必要がある。すなわち、土砂災害は大地が激しく隆起運動を起こしている地域において起こりやすく、そうした場所では恒常的な砂防事業が求められることになる。
出版物
  • 写真 さぼう遊学館の外観
    (撮影:小井土由光)
    写真 さぼう遊学館の入口前にあるデレーケ像
    (撮影:小井土由光)
    巨石積み堰堤
    養老断層の活動により隆起しつづけている養老山地は浸食され続けており、洪水時に土石流をともなって大量の土砂を運び出し、東麓に般若谷扇状地など多くの扇状地を形成している。通常は穏やかな流れの川も、数年、数十年に一度起こるような豪雨で氾濫し、山麓部に甚大な被害を与えてきた。明治政府が近代土木技術導入のため招聘したオランダ人技師ヨハネス・デ・レーケは木曽三川下流域の分流工事を手がけ、それに合わせて治山事業にも力を注ぎ、その指導により建造された砂防堰堤である。当時の堰堤としては規模(幅約52m)、積まれた石の大きさともに最大であり、国登録有形文化財に指定されている。
    奥飛騨さぼう塾
    高原川上流地域における土砂の移動・流出を防止して土砂災害を防ぐ砂防事業について、その役割や仕組みを模型やパネルで紹介する施設であり、近隣の砂防施設を野外活動のフィールドとして活用するなど新たな学習の場としての役割ももつ。岐阜県内における同種の施設として海津市のさぼう遊学館がある。



    地質年代