化石名 ポトザミーテス -
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地層名 手取層群
対象時代 ジュラ紀~白亜紀
概要    裸子植物の針葉樹類に属すると考えられ、かつてソテツの仲間と考えられたが、現在は絶滅球顆類と考えられている。通常の球顆類のもつ針葉とは異なり、卵形または先の尖った形の単葉で幅広く、短柄をもち、中肋がなく細脈が縦走する平行脈をもつ。現生のナギ(マキ科)によく似た形を示す。中生代の地層に最も普通に産出し、岐阜県地域では手取層群から数多く産出するが、中生代の同じような葉形をもつ化石を広く同じ名称で呼ぶことが多く、その類縁がはっきりしない例も多い。
ジオ点描    中生代の植物界においてはシダ植物とともに裸子植物が中心に繫栄していた。現生の裸子植物を代表するスギやヒノキなどの針葉樹類は花粉症の元凶になっているが、当時の裸子植物はソテツ類やイチョウ類が多く、針葉樹類は少なかったとされている。それだけ恐竜においても花粉症が発症しにくかったのであろうと勝手な想像をしてしまうが、そもそも爬虫類には花粉症などというものはないと考えるべきであろう。
文献
  • 写真 高山市荘川町尾神郷における手取層群から産出したポトザミーテス
    (岐阜県博物館所蔵,撮影:棚瀬充史)
    写真 準備中
    手取層群
    手取層群は、福井県東部から石川県南東部、岐阜県北部、富山県南部へかけての地域に分かれて分布し、中生代のジュラ紀前期から白亜紀前期にかけての時代に形成された海成~陸成の地層である。おもに砂岩・泥岩・礫岩などの砕屑岩類からなり、恐竜などの爬虫類化石を産出することで知られる。大きくみると浅海成層から陸成層へと移り変わっていることで、これまでは3つの亜層群(九頭竜・石徹白(いとしろ)・赤岩亜層群)に区分されていた。しかし、これら3亜層群の区分に関しては、形成時代の見直しが化石(特にアンモナイト化石)に基づいて進められてきたことで、堆積環境の変遷も含めていくつかの見解が示されており、それにともなっていくつかの層序区分の考えが示されてきた。ここではこれまでに一般的に用いられてきた3亜層群の名称をそのまま用い、形成時期に重点をおいた区分として、九頭竜・石徹白亜層群の境界をほぼ中生代ジュラ紀と白亜紀の境界(約1億4,550万年前)、石徹白・赤岩亜層群の境界をほぼ白亜紀前期の約1億2,500万年前として表現する。ただし、分かれて分布する個々の地域すべてから時代決定に有効な化石が産出するわけではなく、年代測定の問題も含めて課題の残された地域もあるため、ここでは現段階での資料に基づいて区分し、時代不明の未区分層(Tu)として扱う地域もある。岐阜県地域において区分できる地域では、九頭竜亜層群は分布せず、石徹白・赤岩亜層群が分布し、それぞれ石徹白亜層群相当層、赤岩亜層群相当層として記述する。




    地質年代
    手取層群
    手取層群は、福井県東部から石川県南東部、岐阜県北部、富山県南部へかけての地域に分かれて分布し、中生代のジュラ紀前期から白亜紀前期にかけての時代に形成された海成~陸成の地層である。おもに砂岩・泥岩・礫岩などの砕屑岩類からなり、恐竜などの爬虫類化石を産出することで知られる。大きくみると浅海成層から陸成層へと移り変わっていることで、これまでは3つの亜層群(九頭竜・石徹白(いとしろ)・赤岩亜層群)に区分されていた。しかし、これら3亜層群の区分に関しては、形成時代の見直しが化石(特にアンモナイト化石)に基づいて進められてきたことで、堆積環境の変遷も含めていくつかの見解が示されており、それにともなっていくつかの層序区分の考えが示されてきた。ここではこれまでに一般的に用いられてきた3亜層群の名称をそのまま用い、形成時期に重点をおいた区分として、九頭竜・石徹白亜層群の境界をほぼ中生代ジュラ紀と白亜紀の境界(約1億4,550万年前)、石徹白・赤岩亜層群の境界をほぼ白亜紀前期の約1億2,500万年前として表現する。ただし、分かれて分布する個々の地域すべてから時代決定に有効な化石が産出するわけではなく、年代測定の問題も含めて課題の残された地域もあるため、ここでは現段階での資料に基づいて区分し、時代不明の未区分層(Tu)として扱う地域もある。岐阜県地域において区分できる地域では、九頭竜亜層群は分布せず、石徹白・赤岩亜層群が分布し、それぞれ石徹白亜層群相当層、赤岩亜層群相当層として記述する。