化石名 | 珪藻 | けいそう |
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地層名 | 阿多岐層 | |
対象時代 | 新第三紀鮮新世~第四紀更新世前期 | |
概要 | 単細胞の藻類(植物プランクトン)の仲間で、淡水から海水まで広く分布し、現生のものでも多様な環境下で生息している。細胞が珪酸(SiO₂)でできた殻に覆われており、弁当箱のように外殻と内殻が組み合わされた構造をしている。海や湖などで大量に増殖して死滅すると、その材質から殻だけからなる化石として残りやすく、その生育環境をかなり有効に示す示相化石としての役割をもつ。岐阜県地域では烏帽子・鷲ヶ岳火山や大日ヶ岳火山の基底部付近に分布する阿多岐層の中に珪藻土として多く含まれる。 | |
ジオ点描 | 珪藻は大量に増殖して死滅することでほぼ珪藻の殻だけからなる堆積物として出土することが多く、そうした堆積物を珪藻土という。珪藻の殻が多孔質で、吸水性や吸着性に優れているという特性を持つことから、珪藻土は吸湿性の良い住宅用壁材やろ過材、火に強い土として七輪やコンロなど多方面に使われている。能登の輪島地域では近隣で産出する珪藻土が輪島塗の漆器堅牢化の下塗材として用いられている。 | |
文献 | ||
写真 | 白鳥町阿多岐における阿多岐層にみられる珪藻土層(白色層部) (撮影:小井土由光) |
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写真 | 阿多岐層に含まれるケイソウ化石の顕微鏡写真 (10μm=0.01mm)(撮影:酒向光隆) |