断層名 | 阿寺断層(坂下の断層崖) | あてらだんそう (さかしたのだんそうがい) |
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場所 | 中津川市坂下 | |
概要 | 中津川市坂下の町は、山間部における木曽川が長野県から岐阜県へ流れ込んでから最初に形成した開けた谷底平野にあり、大きく4段に分けられた河岸段丘の上に広がっている。これらの段丘群は木曽川が運んできた堆積物からなり、それらに含まれる御嶽火山の噴出物の年代から全体としては数万年前以降に形成され、他地域との対比などから各段丘が形成された時期がおおよそ明らかになっている。これらの段丘群すべてを阿寺断層が横切って左横ずれと縦ずれを起こしており、各段丘面は断層を境に上下左右に食い違いをつくり、段丘崖と断層崖が合わさって街の中に多くの坂道を作っている。断層北東側の段丘面は上昇するとともに北西へずれていったため、断層活動が累積されていく上段の古い段丘面ほど縦ずれ・横ずれの移動量が大きくなっていった。それらの中で最も新しい時期に形成された最下段の段丘もずれていることは、断層がごく最近においても動きつつあることを示している。こうした河岸段丘と断層との関係が詳細に検討されることで、日本で初めて活断層の活動状態が明らかにされた場所となっている。 | |
ジオ点描 | 木曽川は濃尾平野に至って初めて第四紀層の中を流れるようになり、それまでは新第三紀以前に形成された基盤岩類の中を流れており、そのほぼ全域にわたり渓谷を作っている。そのため流路沿いに階段状の河岸段丘を形成して分布する場所はかなり限られ、坂下地区は例外的ともいえる場所である。そこを活発に動く活断層が横切り、しかもそこですべての段丘面・段丘崖がずらされるようになったのは偶然である。 | |
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写真 | 坂下における阿寺断層の断層崖(新しい段丘面における約10mのずれ) (撮影:小井土由光) |
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写真 | 坂下の上鐘団地西側における阿寺断層の断層崖(古い段丘面における約16.5mのずれで、その崖下に家屋が建っている。遠方は恵那山。) (撮影:小井土由光) |