断層名 | 牛首断層(概説) | うしくびだんそう |
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場所 | 白川村戸ヶ野(とがの) 牛首谷 | |
概要 | 富山県との県境に沿うように富山市大山町から岐阜県北西端の白川村まで北東~南西方向に約54kmにわたって延びる。断層の名前となった白川村の牛首谷や富山県側にある水無谷(みずなしだに)ではみごとな直線的な線状地形模様(リニアメント)を示して延び、断層沿いでは河川の屈曲や段丘堆積物の右横ずれが各所に見られ、すぐ南側にほぼ平行して走る大断層である跡津川断層に匹敵する規模をもつ。ただし、1858(安政5)年に跡津川断層が動いたことで起こった飛越地震による被害は牛首断層沿いではみられない。牛首谷の上流部など3地点で2002(平14)年~2003(平15)年に行なわれたトレンチ調査によると、断層の平均活動間隔はおおよそ5,000~7,100年であり、約2,000~3,000年とされる跡津川断層や阿寺断層の活動間隔に比べて明らかに長い。最新の活動時期は11世紀以後、12世紀以前と推定されており、断層の西端においてそれに直行する方向の庄川流域に沿う御母衣(みぼろ)断層に関係したとされる1586(天正13)年の天正地震の際には動いておらず、それより数百年前に最新の活動があったことになる。 | |
ジオ点描 | 活発に活動する大断層のすぐそばにあっても、それとは対照的にほとんど活動していない大断層がみられることがある。それらも活動した痕跡を明確に残していることから、決して活動を止めてしまったというのではなく、活動間隔が長いために現在はちょうど活動休止中にあたるということになるのであろう。いいかえると、そこでは大地に歪みエネルギーが蓄えられている最中であるということにもなっている。 | |
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写真 | 白山白川郷ホワイトロードからみた牛首谷 (撮影:中田裕一) |
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写真 | 白川村牛首谷におけるトレンチ調査の現場 (撮影:寺門隆治) |