断層名 | ヌクイ谷断層(概説) | ぬくいだんそう |
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場所 | 高山市清見(きよみ)町 宮川防災ダム | |
概要 | 川上川支流の大楢谷(おおならだに)川上流部から宮川防災ダム付近を経てヌクイ谷に沿って南西へ向かい、馬瀬(まぜ)川支流の赤谷を経て高山市清見町楢谷付近まで全長12~13kmにわたり北東~南西方向に延びる。全域にわたって河谷の系統的な100m前後の右屈曲が見られ、とくに大楢谷川の最上流部から宮川防災ダム湖にかけての区間で尾根や谷の顕著な右ずれ屈曲が認られる。宮川防災ダム湖付近では濃飛流紋岩が断層に沿って激しく破砕され、粘土化して青白くなった破砕帯を幅広く形成しており、その南西部のヌクイ谷では河谷が300~500mほどの右ずれを示しており、さらに赤谷流路の北西側斜面では数本の河谷が系統的に右屈曲している。縦ずれ変位はヌクイ谷でわずかな低断層崖が認められるだけで、その向きはよくわからない。ヌクイ谷と赤谷の間では変位地形はあまり明瞭ではないが、連続する鞍部の列による直線的な線状地形模様(リニアメント)は認められる。 | |
ジオ点描 | ヌクイ谷断層は、北西側を源氏岳断層に、南東側を宮川断層にそれぞれはさまれて、それらとほぼ並走して北東~南西方向に延びており、30年以内の地震発生確率が0.7%ほどで、やや高い「高山・大原(おっぱら)断層帯」と呼ばれる断層帯の一翼を担っている。そうした知見が明らかにされる前とはいえ、この断層の真上に“防災ダム”が建設されているのはいささか皮肉かと思えるような気もする。 | |
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写真 | 一之宮町のヌクイ谷おけるヌクイ谷断層の断層破砕帯 (撮影:三宅幸雄) |
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