鉱山名 新日吉鉱山 しんひよしこうざん
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所在地 瑞浪市日吉町白倉(しらくら)
対象資源 亜炭 (稼働)
概要    瑞浪市日吉町白倉で県道352号大西瑞浪線から離れて真北へ向かい、そのまま谷の北端に至るところで褐炭層を露天掘りで採掘している。ここには瑞浪層群の中で瑞浪地域における下部層をなす土岐夾炭累層に含まれる褐炭層が分布し、亜炭鉱山としては岐阜県内で唯一稼働している鉱山である。ただし、もともと熱効率の良い燃料ではなかったこともあり、近年では燃料資源としてではなく、褐炭に含まれる腐植物質(フミン)が土壌改良剤として有効に活用できることが明らかとなり、1973(昭48)年から高品質の土壌改良剤として年間7,000~8,000トンが採掘されている。その他に廃水処理用の金属吸着剤、悪臭用のガス吸着剤などにも利用されている。
ジオ点描    石炭は植物が完全に腐敗分解する前に地中に埋もれて変質(石炭化)したことで生成されたものであり、石炭化度の高い方から無煙炭、半無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭、亜炭、泥炭に分類されている。それらのうち日本では無煙炭から褐炭までを石炭と呼び、亜炭は質の悪い褐炭に付けられた行政上の用語とされており、その基準はかなり不明確である。
文献
  • 写真 瑞浪市日吉町白倉にある新日吉鉱山における亜炭層の露天掘り
    (撮影:小井土由光)
    写真 準備中
    瑞浪層群
    新第三紀の中新世に西南日本の古瀬戸内海と呼ばれる海に堆積した地層群の一つで、岐阜県の中濃地方から東濃地方へかけての可児・瑞浪・岩村の3地域に分かれて分布する。可児地域では下位から蜂屋累層、中村累層、平牧累層に、瑞浪地域では同じく土岐夾炭累層、本郷累層、明世累層、生俵累層に、岩村地域では同じく阿木累層、遠山累層にそれぞれ区分されている。これらは、大きくみると淡水域から汽水域、海域へと堆積環境が変化していったが、設楽層群などの他地域に分布する地層群に比べると浅海性の傾向がみられる。
    土岐夾炭累層
    瑞浪地域に分布する瑞浪層群のうち下部層を構成し、瑞浪市や土岐市一帯に広く分布する。層厚は約140mで、おもに泥岩・砂岩・角礫岩からなり、褐炭・凝灰岩をはさみ、冷温な気候を示す植物化石が含まれる。厚い褐炭層が何枚かにわたり分布し、その一部は土壌改良剤などとして新日吉鉱山で採掘されている。礫岩は基底部にあり、そこに形成されウラン鉱床を採掘しようとしたのが東濃鉱山である。



    地質年代