温泉名 苗木温泉 なえぎおんせん
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所在地 中津川市苗木
源泉最高温度 12.8℃(昭39)
泉質 放射能泉
pH 5.0
概要    中津川市苗木において苗木花崗岩が広く露出する地帯の一画にあり、苗木花崗岩に比較的多く含まれる放射性元素が溶け出した放射能泉が湧出している。これは付知川をはさんで対岸の中津川市蛭川(ひるかわ)地域において苗木花崗岩が広く露出する地帯に点在してある東山温泉ローソク温泉岩寿(いわす)温泉などと同じ性質の温泉である。木曽川沿いの岩山に築かれた山城の苗木城跡の近くにあり、かつては「中津川ラジウム温泉」と呼ばれ、ラジウム温泉の湯治施設として親しまれている。
ジオ点描
写真 中津川市苗木にある苗木温泉の温泉ポンプ室と温泉施設の建物
(撮影:小井土由光)
写真 苗木温泉の開発記念碑
(撮影:小井土由光)
苗木城
木曽川を挟んで中津川市街地の対岸にそびえる城山(標高432m)に築かれた山城で、苗木花崗岩の岩山の上を利用して天然の巨岩を囲いながら石垣が積まれるなど、自然の地形を有効に生かした築城の特徴がみられる。築城時期は不明であり、戦国時代以降から江戸時代を通じて遠山氏が城主として治めた城であるが、明治維新で建物は取り壊され、現在は石垣だけが残されている。城跡からはすばらしい展望が広がり、とりわけ木曽川を眼下にして恵那山の山塊を望む雄大な眺望が堪能できる。
苗木花崗岩
中津川市苗木付近を中心に濃飛流紋岩の分布域の南部に広く分布し、中央部においても濃飛流紋岩の地下に広く伏在して分布する。濃飛流紋岩の少なくともNOHI-5までを貫き、NOHI-3、NOHI-4およびNOHI-5と火山-深成複合岩体を形成していると考えられている。塊状で、一部斑状の細粒~粗粒黒雲母花崗岩および角閃石含有黒雲母花崗岩からなり、放射線で黒~暗灰色になった石英を多く含み、脈状ないし晶洞状のペグマタイトに富むことを特徴とする。
東山温泉
苗木花崗岩に多く含まれる放射性元素が溶け出し、ラジウム含有量の豊富な地下水が湧出している。近傍にある岩寿(いわす)温泉、ローソク温泉と同じ性質の温泉である。
ローソク温泉
近傍にある岩寿(いわす)温泉、東山温泉と同様に、苗木花崗岩に多く含まれる放射性元素が溶け出し、日本第一位のラジウム含有量を含む地下水が湧出している。1945(昭20)年に療養温泉として開業し、俗化を防ぐため1983(昭58)年秋まで電気を通さず、夜はローソクの灯を使用していたことからこの名がある。「湯之島ラジウム鉱泉」ともいう。
岩寿温泉
苗木花崗岩に多く含まれる放射性元素が溶け出し、ラジウム含有量の豊富な地下水が湧出している。近傍にある東山温泉、ローソク温泉も同様の泉質をもつ。
地質年代