温泉名 山神温泉 やまがみおんせん
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所在地 土岐市下石町1953-1
源泉最高温度 20.5℃(平20)
泉質 放射能泉
pH 9.4
概要    屏風山断層の北側にあってほぼ同じような立地条件にある瑞浪市稲津町の稲荷温泉と同じ性質の温泉である。瀬戸層群の分布域にあるが、その基盤には放射性元素を比較的多く含む苗木花崗岩が広く分布しており、屏風山断層に関係する破砕帯に関わる地下水脈から放射性元素が地下水に溶け出して放射能泉として湧出していると考えられる。鎌倉時代に薬師如来に導かれた落武者によって発見されたと伝えられ、歴史の古い湯治場として親しまれ、大正時代に建てられた大衆浴場が旅館へと移り変わってきた。
ジオ点描
写真 土岐市下石町にある山神温泉の源泉小屋
(撮影:小井土由光)
写真 準備中
瀬戸層群
東海層群のうち濃尾平野の地下を含めて伊勢湾以東の地域に分布する地層群で、岐阜県地域では東濃地方に分布し、下部層をなす土岐口陶土層と上部層をなす土岐砂礫層からなる。この地域では火山灰層がほとんど含まれないことで、内部層序あるいは地層対比がむずかしく、近接した地域でも堆積物相互の関係が明確にできない。
苗木花崗岩
中津川市苗木付近を中心に濃飛流紋岩の分布域の南部に広く分布し、中央部においても濃飛流紋岩の地下に広く伏在して分布する。濃飛流紋岩の少なくともNOHI-5までを貫き、NOHI-3、NOHI-4およびNOHI-5と火山-深成複合岩体を形成していると考えられている。塊状で、一部斑状の細粒~粗粒黒雲母花崗岩および角閃石含有黒雲母花崗岩からなり、放射線で黒~暗灰色になった石英を多く含み、脈状ないし晶洞状のペグマタイトに富むことを特徴とする。
屏風山断層
屏風山断層は、阿寺断層系の南東端にあたる中津川市馬籠(まごめ)付近から、それに直交する東北東~西南西方向に瑞浪市南西部にかけて全長約32kmにわたり延びる。断層の南側には屏風山(標高794m)を最高峰とする標高750mほどの屏風山山塊が続き、その北側の急斜面が断層崖に相当しており、この壁が大地に作られた巨大な屏風のように見えることからその名がある。屏風山山塊を隆起させる縦ずれ運動は、南側の山塊が北側へ乗り上げる逆断層として起こり、そのため断層は山塊側から崩れてくる堆積物の下に埋もれてしまい、断層自体は限られた地点でしか観察できない。観察できる場所では、断層面が水平面から約60°の傾斜角で南へ向かって傾いており、その上側にある基盤の伊奈川花崗岩が下側にある瀬戸層群の土岐砂礫層の上に乗り上げている。なお、横ずれ運動もしており、断層を横切る河川流路に折れ曲がりがみられる。
稲荷温泉
瑞浪市稲津町の瑞浪南中学校の西隣にある稲荷神社境内に隣接してあることでこの名がある。瑞浪層群の分布域にあるが、その基盤にはラジウムなどの放射性元素を比較的多く含む苗木花崗岩が広く分布しており、そこから放射性元素が地下水に溶け出して湧出している放射能泉である可能性が高い。さらに屏風山断層に近い位置にあることから、それに関係する破砕帯に地下水脈があり、泉源になっていると考えられる。当初は神社境内に湧出していたとされているが、現在はやや離れた西方の低地で汲みあげている。なお、施設において宿泊はできない。

地質年代