温泉名 平湯温泉 ひらゆおんせん
地図 地図を見る
所在地 高山市奥飛騨温泉郷平湯
源泉最高温度 74.8℃(平20)
泉質 塩化物泉、炭酸水素塩泉
pH 幅あり
概要    奥飛騨温泉郷において高原川流域の最奥部にある温泉である。焼岳火山群としては比較的新しい時期に活動しているアカンダナ火山の西麓にあり、同火山を熱源としている温泉の可能性もあるが、現在活動中の焼岳火山を熱源としている可能性もある。地下でどのようにつながっているかはわからないが、約40の源泉から総湧出量毎分8,600㍑という豊富な湯が噴き出している。この温泉発祥の地は現在の温泉街の中心から東方1kmほどのところにある“神の湯”という露天風呂であり、戦国時代の疲弊しきった武田信玄の軍勢が一匹の白猿に導かれたという『白猿開湯伝説』として知られ、奥飛騨温泉郷の中でも最も歴史の古い温泉とされている。
ジオ点描    “活火山”はおおよそ1万年前以降に活動した、あるいは活動している火山と定義されている。それに該当する火山は県内に5つあり、その1つがアカンダナ火山である。ただし、その最終活動時期はおよそ1万年前であり、活火山の定義にぎりぎり該当する火山である。それでも1995(平7)年に東麓の長野県側において火山性ガスによる水蒸気爆発事故が起こっており、まだ内部には熱源が残されている可能性もある。
写真 国道158号の平湯トンネル付近から望むアカンダナ山(中央奥の峰)とその山麓にある平湯温泉
(撮影:小井土由光)
写真 平湯温泉の湯ノ平源泉井
(撮影:小井土由光)
焼岳火山群
飛騨山脈の南部にあって、焼岳火山を主峰とする複数の火山体の集まりであり、乗鞍火山帯の中で最近1万年間では最も活発な活動を続けている。形成時期により約12万~7万年前の旧期焼岳火山群と約3万年前以降の新期焼岳火山群に大別され、前者には岩坪山・大棚火山、割谷山火山が、後者には白谷山火山、アカンダナ火山、焼岳火山がそれぞれ該当する。全体に斜長石と角閃石の斑晶が目立つ安山岩質~デイサイト質の溶岩ドーム、厚い溶岩流、泥流堆積物、火砕流堆積物からなり、火砕流堆積物はすべて溶岩ドームの破壊によってできたblock and ash flow堆積物であり、激しい爆発的な噴火活動をほとんど行なっていない。
アカンダナ火山
焼岳火山群の最南端にあり、白谷山火山の南側に噴出し、アカンダナ山(標高2109m)を中心として新期焼岳火山群に属する火山体である。溶岩ドーム、溶岩、火砕岩類からなる。火山体のうち、頂上部を含めた岐阜県側で地すべり崩壊した崖がみられる。形成時期が約1万年前とされたことで、新たに定められた活火山の仲間入りをした火山でもある。
焼岳火山
焼岳火山群の新期焼岳火山群に属する火山体で、その中で最も新しく、現在も活動中の火山である。焼岳(標高2455m)を中心として、いくつかの溶岩、溶岩ドームとそれらにともなわれる火砕岩類からなる。現在の山頂部を作る溶岩ドームは約2,300年前に形成されたものである。歴史時代に入ってからの活動としては、1907(明40)年から1939(昭14)年まで水蒸気爆発が活発に繰り返され、特に1915(大4)年に水蒸気爆発にともない発生した泥流が梓川をせき止めて大正池を作ったことは有名である。最新の活動については事項解説『災害』の項目「焼岳火山噴火」を参照のこと。


地質年代