対象物 | 熊石洞 | くまいしどう |
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場所 | 郡上市八幡町美山(みやま)熊石 | |
概要 | 郡上市八幡町から和良(わら)町にかけての地域に帯状に分布する美濃帯堆積岩類の石灰岩に形成された鍾乳洞の1つであるが、それらのほとんどが横穴洞であるのに対して、最大級の縦穴洞を作っている鍾乳洞である。延長707m、高度差130mにもおよぶ鍾乳洞で、洞穴口から約20mの垂直穴があり、さらに30m下がった地点から55mにも及ぶ垂直穴になっている。ただし、この鍾乳洞は観光洞になっていないこともあり、洞穴口はわかりにくく見学はできない。周囲には“ドリーネ”と呼ばれる石灰岩地帯に特有の大小さまざまのすり鉢型の窪地が見られる。これらは地下の空洞の天井部が陥没することによって形成されることが多い。現在の洞穴口の少し上位にあるドリーネとして残っている当時の縦穴に落ちた氷河時代の大型哺乳動物が洞穴内部の堆積物中から歯・角・足の骨などの数千点におよぶ化石として見つかっており、それらは美山動物群として知られている。 | |
ジオ点描 | 鍾乳洞は石灰岩が地下水に溶かされたことで作られたものであり、その多くが横穴洞であることは地下水の水位が一定の期間にわたり保たれていたことを表わしている。ところが、この横穴洞をつなげる程度の縦穴洞はあっても縦穴洞を卓越させた鍾乳洞はかなり限られる。縦穴洞には垂直方向に延びる地下水脈が用意される必要があり、周囲に深い谷が作る急傾斜の斜面があると形成されやすいとされている。 | |
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写真 | 八幡町美山熊石にある熊石洞の洞穴口 (撮影:鹿野勘次) |
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