対象物 | 坂下の河岸段丘 | さかしたのかがんだんきゅう |
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場所 | 中津川市坂下 | |
概要 | 木曽川の上・中流域においては、谷幅が狭いこともあり河岸段丘はあまり残されていないが、中津川市坂下には例外的に大きく4段にわたる段丘面が広がっている。それらは高い方から、松源地(しょうげんち)面、高部(たかべ)面、坂下面、西方寺(さいほうじ)面と呼ばれ、この順序で形成時期が若くなっている。これらのうち松源地面を作る堆積物は木曽谷層であり、高部面には木曽谷層を覆って木曽谷泥流堆積物が載り、坂下面は木曽谷層を削って形成された段丘面である。これらの堆積物の中に含まれる御嶽火山の噴出物などから、それぞれの段丘面が形成された時期がわかる。これらの段丘面を北西~南東方向に横切って阿寺断層が通っており、それによりすべての段丘面がずらされ、古い(高い)段丘面ほどずらされる回数が増えていくためにずらされている量が大きくなる。累積されていく断層崖に複数の段丘面と段丘崖が交錯することで、狭い範囲の中でみかけ上は複雑な地形分布をなしている。段丘面の形成時期がわかるから、それをずらしていった阿寺断層の活動の過程も解析され、ここは日本で最初に活断層の正確な運動像が確認された場所となっている。 | |
ジオ点描 | 【本郷の河岸段丘と共通】 河岸段丘が形成される要因については、氷河期と間氷期において海水面が変化することで河口の位置が変化し、その上流域において浸食場と堆積場が変化すること、氷河期と間氷期において山間部での土砂供給量に差があることなどの汎世界的な要因のほかに、個別の河川沿いにおける要因があるとされている。ただし、それらと複数段の形成をきちんと説明できているわけではない。 | |
文献 |
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写真 | 中津川市坂下における河岸段丘の区分と阿寺断層崖の比高差 杉村(1973)より作成 |
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