対象物 メタセコイア珪化木 めたせこいあけいかぼく
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場所 美濃加茂市山之上町金谷四条里(かねやしじょうり)
指定者 岐阜県
指定年月日 1970(昭45)年1月20日
概要    美濃加茂市周辺に分布する瑞浪層群には、当時の森林を作っていた樹木が珪化木として豊富に含まれている。それらのうち、蜂屋累層(約2,500万年前)の凝灰質砂岩中に埋没していた巨大な樹幹珪化木が指定されている。この巨木は根部の直径約1.5m、長さ約22mあり、輪切り状に数ヶ所に亀裂が入っており、当時はメタセコイヤの巨木と考えられて指定された。しかし、材組織からはスギ科の樹木であることは分類できても、その下の属レベルの分類(メタセコイア属など)は難しいことが指摘されている。
ジオ点描    巨大な樹木化石が珪化木として産出すると、これまではほとんどがメタセコイアと分類されてきた。メタセコイアが“巨木”というイメージをもつことがそのように想起させてしまうのであろう。これは樹径や樹高などのおもに外形により種類の決定がなされてきたことになるが、それらで分類できる範囲はかなり限られる。最近では樹木内の植物組織構造により細かな段階まで分類されることが明確になってきた。
文献
  • 写真 美濃加茂市山之上町金谷で産出した巨大珪化木
    (撮影:鹿野勘次)
    写真 準備中
    瑞浪層群
    新第三紀の中新世に西南日本の古瀬戸内海と呼ばれる海に堆積した地層群の一つで、岐阜県の中濃地方から東濃地方へかけての可児・瑞浪・岩村の3地域に分かれて分布する。可児地域では下位から蜂屋累層、中村累層、平牧累層に、瑞浪地域では同じく土岐夾炭累層、本郷累層、明世累層、生俵累層に、岩村地域では同じく阿木累層、遠山累層にそれぞれ区分されている。これらは、大きくみると淡水域から汽水域、海域へと堆積環境が変化していったが、設楽層群などの他地域に分布する地層群に比べると浅海性の傾向がみられる。
    珪化木
    地層中に埋まった樹木の細胞内や細胞壁に珪酸(SiO₂) 分がしみ込んで、それと置き換えられたもので、実際に置き換えられた珪酸のほとんどは非結晶のオパールやメノウの形で固定されている。
    蜂屋累層
    可児地域に分布する瑞浪層群のうち下部層を構成し、瑞浪層群全体としても最下部層をなす。美濃加茂市南部に広く分布し、おもに安山岩質~玄武岩質の火砕岩・水中自破砕溶岩・貫入岩などからなり、凝灰質砂岩や凝灰質シルト岩などの湖沼性堆積岩層をともなう。火山活動は浅い水中で起こり、火砕岩類のほとんどはマグマ水蒸気爆発により形成されたと考えられている。層厚は約300mである。


    地質年代