地名 みたけの森 みたけのもり
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場所 御嵩町中2777-1
指定等 県生活環境保全林
概要    御嵩町南部の約70haにわたる山林の中に多くの散策道が作られた公園で、2つの湿原がある。春はツツジやヤマザクラ、夏はササユリや花ショウブ、秋は紅葉と、四季折々の草花がみられ、サギソウの群生で知られ、多くの人に親しまれている。この公園がある可児川以南の山地には瑞浪層群平牧累層が広く分布しているが、公園のあるところだけにそれとはまったく異質な花崗斑岩がその基盤岩として比較的広く露出している。花崗斑岩は瑞浪層群に比べて堅硬で水を通しにくく、それがこの場所に湿原を形成している原因になっている可能性がある。
ジオ点描    【黒の田東湿原と共通】 湿原にもたらされた水がどこからも地下に漏れることなく溜まり続けたとすると河川として溢れていく。湿原において水の供給量に対して河川水も含む漏水量が釣り合っていれば、ほぼ一定の水位が保たれていくはずである。そこが水を通しにくい堅硬な地質環境であっても、流れ出る河川が明確に確認できない場合には何らかの形で地下への漏水があると考えざるを得なくなる。
文献
  • 写真 御嵩町中にあるみたけの森湿原
    (撮影:鹿野勘次)
    写真 準備中
    瑞浪層群
    新第三紀の中新世に西南日本の古瀬戸内海と呼ばれる海に堆積した地層群の一つで、岐阜県の中濃地方から東濃地方へかけての可児・瑞浪・岩村の3地域に分かれて分布する。可児地域では下位から蜂屋累層、中村累層、平牧累層に、瑞浪地域では同じく土岐夾炭累層、本郷累層、明世累層、生俵累層に、岩村地域では同じく阿木累層、遠山累層にそれぞれ区分されている。これらは、大きくみると淡水域から汽水域、海域へと堆積環境が変化していったが、設楽層群などの他地域に分布する地層群に比べると浅海性の傾向がみられる。
    平牧累層
    可児地域に分布する瑞浪層群のうち上部層を構成し、可児市から御嵩町へかけての地域に分布する。層厚は80m以上で、凝灰角礫岩や巨岩塊を含む凝灰岩などからなる下部層と凝灰質砂岩などからなる上部層に分けられている。ゴンフォテリウムというゾウやアンキテリウムという小型のウマなどの哺乳動物化石が産出したことで知られており、平牧動物化石群と呼ばれている。湖沼性の貝類化石や温暖性の植物化石が含まれている。
    花崗斑岩
    濃飛流紋岩のほぼ岩体全域および岩体周辺の美濃帯堆積岩類の分布地域にわたり小規模な岩脈として分布し、しばしば平行岩脈群をつくる。岐阜県内に分布する代表的なものだけを挙げてると、上之保(かみのほ)-鹿山(かやま)平行岩脈群・東沓部(ひがしくつべ)岩脈群・初納(しょのう)岩脈群・日出雲(ひずも)岩脈群・中之宿岩脈・青屋弧状岩脈のほかに釜戸・大洞谷・門坂(かどさか)・三間山(さんげんやま)・宇津江(うつえ)・黒内の各岩体がある。全体として濃飛流紋岩のどの層準よりも新しい時期に貫入し、濃飛流紋岩を貫く苗木花崗岩などの花崗岩類中にはまったく分布しないことから、花崗岩類の定置以前に貫入したと考えられている。岩相は全体を通じてほとんど一定しており、灰白色の石基中に石英・カリ長石・斜長石・黒雲母およびまれに角閃石の自形斑晶を含む。カリ長石や斜長石の斑晶は長径1~3㎝である。周縁相として斑晶がやや小型化し、石基が隠微晶質となる石英斑岩質を示すものがみられる。


    地質年代