地名 | 岩村城跡 | いわむらじょうあと |
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場所 | 恵那市岩村町 城山 | |
指定等 | 県指定史跡 | |
概要 | 恵那山断層の南東側が隆起して形成された断層崖の上にあり、自然の峻険な地形を巧みに利用し、12世紀から16世紀にかけて作られた幾段もの堅牢な石垣で守られた山城である。この石垣は4万個の石で作られているといわれ、そのすべてが伊奈川花崗岩からなる。この花崗岩はこの地域周辺にかなり広範囲に分布しているが、多くは砂状に風化してマサ化している。岩村城周辺において大量の堅硬な石が確保できるのは岩村町の東に隣接する阿木(あぎ)川流域だけであり、言い伝えでは農民が阿木川より石を運び上げたといわれている。この城には籠城戦に備えて17ヶ所も井戸が掘られ、城内の海抜695mの所にある“霧ヶ井”は今も水が湧き出ている。山の高所でも水が得られる理由は、城郭の土台を作る摺古木(すりこぎ)花崗岩の内部に割れ目(節理)が多く、さらに恵那山断層に沿って破砕を受けて亀裂が多くなり、水を蓄える性質を持つためと考えられる。 | |
ジオ点描 | 日本では城郭を築く目的には権力者の威光を象徴するような役割もあろうが、やはり最大の目的は防御施設としての役割であろう。地形的高所にあって周囲に堀に相当する構造物を作ることで攻撃に対処する手立てとしているようである。とりわけ高所という要素に着目すると、活断層の断層崖を利用した城郭はみごとにジオに基づく自然立地条件を利用した建造物と考えてよい。 | |
文献 |
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写真 | 岩村城跡の石垣 (撮影:小井土由光) |
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写真 | 岩村城跡にある井戸の1つ「昇龍の井戸」 (撮影:小井土由光) |