地層名 粗粒ピンク花崗岩(紅色花崗岩)【HG10】 そりゅうぴんくかこうがん
(べにいろかこうがん)
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代表地点 飛騨市神岡町梨ヶ根
形成時期 ペルム紀~ジュラ紀(約3億年~1億8000万年前)
概要    飛騨市神岡町東方~南方一帯から、高原川および金木戸(かなきど)川流域に広く分布し、これまで「船津花崗岩類」の名で知られてきたものである。おもに粗粒塊状で等粒状~斑状の花崗岩~花崗閃緑岩からなり、淡紅色~赤色のカリ長石を含むことを特徴とし、しばしば閃緑岩~トーナル岩などのやや苦鉄質の岩相と混在する。一部で変形・再結晶などの変成作用を受けており、とりわけ神岡町市街地付近では著しく圧砕作用を受け、片理を示す。同様の変成した花崗岩は飛騨帯各地に分布する。いっぽう、高山市宮川町打保(うつぼ)付近に分布する打保岩体では変形・再結晶があまり見られないことから、同じ岩相を示す岩石でも形成時期にかなり幅があり、2億4000万年前ごろの広域変成作用の時期を挟んで新旧異なる時期の岩相を含んでいる。
文献
  • 加納 隆・渡辺敬夫(1995)飛騨帯南部神岡鉱山東方の中生代前期花崗岩類の地質と構造.地質学雑誌,101巻,499-514頁.
  • 加納 隆(1990)飛騨帯の花崗岩質岩類.鉱山地質,40巻,397-413頁.
  • 椚座圭太郎・清水正明・大藤 茂(2010)年代学から見た飛騨変成作用から日本海誕生を経て今日に至るまでの包括的構造発達史.地質学雑誌,116補遺,83-101頁.
  • 写真 飛騨市神岡町梨ヶ根における粗粒ピンク花崗岩
    (撮影:加納 隆)
    写真 準備中
    片理
    結晶片岩に特徴的に表れ、柱状、板状、鱗片状などの結晶が一定方向に並ぶことで生じる縞状(線状片理)あるいは面状(面状片理)に表れる構造。
    広域変成作用
    構造運動により広い範囲にわたって既存の岩石が一連の温度・圧力条件のもとで変成作用を受けて変成岩を形成する作用で、低度のものから高度のものに累進的に変化することが多い。特定の火成岩を熱源とする局所変成作用(熱変成作用)と区別される。
    地質年代