火山名 鈴蘭高原玄武岩【Vue】 すずらんこうげんげんぶがん
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代表地点 高山市朝日町 鈴蘭高原
形成時期 更新世前期(約210万年前)
概要    高山盆地の南部から中津川市坂下付近の上野火山までのかなり広範囲に散在して分布する玄武岩類からなる単成火山のうち、きわめて平坦な地形をなす鈴蘭高原にまとまって分布するもので、カンラン石の斑晶が多く、斜長石の斑晶が少ないきわめて流動性に富む玄武岩質溶岩を主体とし、わずかに火砕岩をともなう。
文献
  • 山田直利・小林武彦(1988)御嶽山地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1地質図幅),地質調査所,136頁.
  • 写真 小坂町落合の鈴蘭峠北西方の林道沿いに露出する鈴蘭高原玄武岩
    (撮影:中口清浩)
    写真 準備中
    上野火山
    高山盆地の南部から阿寺山地を経て中津川市坂下付近に至るかなり広範囲にわたる地域に玄武岩類からなる単成火山が散在して分布する。そのうち旧坂下町上野を中心とした地域にまとまって分布するもので、「上野玄武岩」とも呼ばれている。カンラン石の斑晶が多く含まれ、斜長石の斑晶が少ないきわめて流動性に富む玄武岩質溶岩からなり、上野台地と呼ばれる平坦な地形を作って分布している。
    単成火山
    1回の噴火活動で形成された火山で、マール・火砕丘・溶岩ドームなどがその例である。ただし、ここでの“1回”とは一続きの噴火活動という意味であることに注意する必要がある。対する用語として「複成火山」がある。
    鈴蘭高原
    高山市朝日町の南西部に広がる標高1300~1400mの緩やかな地形の高原で、粘り気のかなり低い鈴蘭高原玄武岩が約210万年前に噴出して広範囲に分布したことでこうした地形が形成されている。東方へ向かって開け、南北に連なる御嶽火山の山嶺全体を西側から真正面に望める絶好の眺望を提供してくれる展望台となっている。なお、ここで掘られた温泉ボーリングでは、玄武岩の下位に広がる濃飛流紋岩のNOHI-3に属する下呂火山灰流シートが1,000m以上の深さまで続くことが確認されている。




    地質年代