地層名 土岐夾炭累層【M2】 とききょうたんるいそう
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代表地点 瑞浪市土岐町
形成時期 中新世前期
概要    瑞浪地域に分布する瑞浪層群のうち下部層を構成し、瑞浪市や土岐市一帯に広く分布する。層厚は約140mで、おもに泥岩・砂岩・角礫岩からなり、褐炭・凝灰岩をはさみ、冷温な気候を示す植物化石が含まれる。厚い褐炭層が何枚かにわたり分布し、その一部は土壌改良剤などとして新日吉鉱山で採掘されている。基底部にある礫岩層に形成されウラン鉱床を採掘しようとしたのが東濃鉱山である。
文献
  • 糸魚川淳二(1980)瑞浪地域の地質.瑞浪市化石博物館専報,1号,1-50頁.
  • 写真 瑞浪市日吉町の新日吉鉱山で掘られた土岐夾炭累層の褐炭層
    (撮影:小井土由光)
    写真 準備中
    瑞浪層群
    新第三紀の中新世に西南日本の古瀬戸内海と呼ばれる海に堆積した地層群の一つで、岐阜県の中濃地方から東濃地方へかけての可児・瑞浪・岩村の3地域に分かれて分布する。可児地域では下位から蜂屋累層、中村累層、平牧累層に、瑞浪地域では同じく土岐夾炭累層、本郷累層、明世累層、生俵累層に、岩村地域では同じく阿木累層、遠山累層にそれぞれ区分されている。これらは、大きくみると淡水域から汽水域、海域へと堆積環境が変化していったが、設楽層群などの他地域に分布する地層群に比べると浅海性の傾向がみられる。
    新日吉鉱山
    亜炭鉱山としては岐阜県内で唯一稼働している鉱山であり、瑞浪層群の中で瑞浪地域における下部層をなす土岐夾炭累層に含まれる褐炭層を露天掘りで採掘している。熱効率の悪さから燃料資源としては採掘されなくなったが、褐炭に含まれる腐植物質(フミン)が土壌改良剤として有効に活用できることが明らかとなり、1973(昭48)年から高品質の土壌改良剤として年間7,000~8,000トンが採掘されている。その他に廃水処理用の金属吸着剤、悪臭用のガス吸着剤などにも利用されている。
    東濃鉱山
    日本におけるウラン鉱床は岐阜県の土岐地域と鳥取・岡山県境の人形峠地域の2ヶ所しかない。土岐地域のウラン鉱床は、周辺に広く分布する土岐花崗岩からウラン・トリウムなどの放射性元素が地下水に溶け出し、それが瑞浪層群の中で瑞浪地域における下部層をなす土岐夾炭累層内に固定され濃集されてできたものである。この鉱山はそれらの採掘をめざしたが、採算のあう埋蔵量ではなかったため、稼働することなくウラン探鉱を終了している。1986(昭61)年からは鉱山の坑道を放射性物質の処理にかかわる基礎実験施設として利用し、おもに岩盤中の物質移動に関する研究などに活用されてきた。それらも2004(平16)年3月に終了し、2010(平22)年からは閉山措置が始まり、坑道を埋める作業が2012(平24)年3月から行われている。
    地質年代