地層名 蜂屋累層【M1】 はちやるいそう
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代表地点 美濃加茂市蜂屋
形成時期 中新世前期(約2,200万年前)
概要    可児地域に分布する瑞浪層群のうち下部層を構成し、瑞浪層群全体としても最下部層をなす。美濃加茂市南部に広く分布し、おもに安山岩質~玄武岩質の火砕岩・水中自破砕溶岩・貫入岩などからなり、凝灰質砂岩や凝灰質シルト岩などの湖沼性堆積岩層をともなう。火山活動は浅い水中で起こり、火砕岩類のほとんどはマグマ水蒸気爆発により形成されたと考えられている。層厚は約300mである。
文献
  • 野村隆光(1992)岐阜県南東部,中新統蜂屋累層の層序-瀬戸内区中新世初期の火山活動-.瑞浪市化石博物館報告,19号,75-101頁.
  • 写真 川辺町の川辺ダム下流に露出する蜂屋累層
    (撮影:鹿野勘次)
    写真 川辺町の飛騨川河床に露出する蜂屋累層の火山角礫岩
    (撮影:鹿野勘次)
    瑞浪層群
    新第三紀の中新世に西南日本の古瀬戸内海と呼ばれる海に堆積した地層群の一つで、岐阜県の中濃地方から東濃地方へかけての可児・瑞浪・岩村の3地域に分かれて分布する。可児地域では下位から蜂屋累層、中村累層、平牧累層に、瑞浪地域では同じく土岐夾炭累層、本郷累層、明世累層、生俵累層に、岩村地域では同じく阿木累層、遠山累層にそれぞれ区分されている。これらは、大きくみると淡水域から汽水域、海域へと堆積環境が変化していったが、設楽層群などの他地域に分布する地層群に比べると浅海性の傾向がみられる。
    自破砕溶岩
    溶岩の表面が固結した後に固結部が破砕されてできた溶岩で、水中に噴出した溶岩でしばしば見られる。水中で急冷固結した溶岩が周囲の水の気化にともなう膨張圧などで激しく破砕されることで形成される。通常の火山活動で地表に堆積した火山角礫岩と似た岩相になるが、破砕されたものがすべて同質の岩石からなるという特徴をもつ。
    マグマ水蒸気爆発
    マグマが地下浅所で地下水と、あるいは地表で海水や湖水と接触することで大量の高圧水蒸気が発生し、それが爆発の原因となる火山噴火の一種で、放出物に急冷されたマグマ破片が含まれることで、単なる水蒸気爆発とは異なり、規模も大きくなる。
    地質年代