地層名 縞状片麻岩・ミグマタイト質花崗岩類【HN3】 しまじょうへんまがん・
みぐまたいとしつかこうがんるい
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代表地点 飛騨市宮川町万波(まんなみ) 万波川
形成時期 不 詳(約2億4000万年前以前)
概要    おもに岐阜県最北部にあたる宮川以西の万波川から小鳥(おどり)川以北の地域に広く分布し、花崗岩質片麻岩の分布域にほぼ重なる地域に分布する。細粒の黒雲母片麻岩・角閃石片麻岩・単斜輝石片麻岩が厚さ数cmの互層をなし、それらが縞状をなす岩石である。野外では、しばしば花崗岩質片麻岩などの脈状岩を密接にともない、その中に岩片として包有されるが、それらは地質図上で区別して表現できないため省略してある。また、これらの中にはアルミナ成分に富む泥質岩起源の片麻岩も含まれており、コランダム(ルビー)を含む片麻岩も見られる。
文献
  • 加納 隆(1980)飛騨変成帯西部地域北半部の地質について.地質学雑誌,86巻,687-704頁.
  • 野沢 保・坂本 亨・加納 隆・稲月恒夫(1981)白木峰地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1図幅),地質調査所,85頁.
  • 写真 飛騨市宮川町万波の万波川河床における縞状片麻岩の研磨面(角閃石片麻岩に挟まれる単斜輝石片麻岩)
    (撮影:加納 隆)
    写真 飛騨市河合町の小鳥川河床における縞状片麻岩(ザクロ石黒雲母片麻岩)の研磨面
    (撮影:加納 隆)
    花崗岩質片麻岩
    一般には飛騨変成岩類中に幅数cm~数mの脈状ないし不規則なプール状の優白質部として産し、小規模でも飛騨帯各地に広く分布する。岐阜県内では白川村地域から富山県境の水無山(標高1506m)稜線付近に比較的広く分布する。ミグマタイト構造を形成し、粗粒~細粒、塊状~片麻状組織をなし、再結晶組織を示す。白川村周辺では黒雲母片麻岩等の岩片を含み、県最北部の万波(まんなみ)川から小鳥(おどり)川以北の地域では縞状片麻岩中に脈状に産し、青灰色のカリ長石を多く含むことから“灰色花崗岩”と呼ばれる。飛騨市古川町野口から河合町角川(つのかわ)へかけての宮川河床では粗粒の花崗岩~花崗閃緑岩質片麻岩が分布し、一部は透輝石や角閃石を含み、伊西ミグマタイトとの中間的岩相を示すこともある。
    コランダム
    自然界で最も硬い鉱物はダイヤモンドであり、それに次いで硬い鉱物として知られている。日本名では鋼玉という。純粋な結晶では、アルミニウム(Al)と酸素(O)が強く結合してできたAl₂O₃という組成の無色透明となるが、アルミニウム(Al)の一部がクロム(Cr)に置き換わったものは赤色透明の結晶になり、それが宝石の「ルビー」である。また、鉄(Fe)を含むと青色の宝石「サファイア」となる。羽根谷上流に露出する飛騨変成岩類の縞状片麻岩中に含まれるルビーは最大で4cmにも達する。
    片麻岩
    広域変成作用により形成された高い変成度をもつ粗粒の岩石で、苦鉄質鉱物の多い黒色縞と珪長質鉱物の多い白色縞からなる縞状構造をもつ。花崗岩質岩石を源岩とする正片麻岩と堆積岩類を源岩とする準片麻岩に分けられる。


    地質年代