火山名 高天ヶ原・権現池火山【VN3】 たかまがはら・ごんげんいけかざん
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代表地点 (高天ヶ原)(権現池)
形成時期 更新世後期(約10万年前以降)
概要    乗鞍火山のうち新期乗鞍火山として剣ヶ峰(標高3,026m)付近を中心に活動した火山体で、そのやや南東方にある高天ヶ原(標高2,829m)付近から東方と南方へ流出したやや古い時期の活動と、権現池火口付近から北西方、南方、東方へ広がって流出した最も新しい時期の活動に分けられる。前者の活動では他の火山体に比べて溶岩層以外に火砕物がやや卓越することを特徴としている。後者の活動ではおもに複数枚の安山岩質やデイサイト質の溶岩流からなり、その明瞭な表面地形が認められる。完新世に入ってからはほとんどは小規模な水蒸気爆発が繰り返されたようである。
文献
  • 中野 俊・大塚 勉・足立 守・原山 智・吉岡敏和(1995)乗鞍岳地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1地質図幅),地質調査所,139頁.
  • 写真 乗鞍千町尾根の登山道よりみた高天ヶ原
    (撮影:中田裕一)
    写真 準備中
    乗鞍火山
    飛騨山脈に沿ってほぼ南北方向に配列する乗鞍火山列あるいは乗鞍火山帯と呼ばれる火山群の一つで、複数の火山体が集まって復元総噴出量約26km³の複合火山を形成している。活動時期から大きく約128万~86万年前に活動した古期乗鞍火山と約32万年前以降に活動した新期乗鞍火山に分けられており、前者には千町火山が、後者には烏帽子火山、高天ヶ原・権現池火山、四ツ岳火山、恵比寿火山がそれぞれ該当している。これらのうち権現池火山だけが最新の活動をしている。全体に火砕流堆積物や降下火砕堆積物などの火砕物が少なく、安山岩質ないしデイサイト質の厚い溶岩流が主体を占めることで特徴付けられ、基盤岩類の分布高度が標高2400mまで確認され、噴出物の厚さは600~700mほどしかない。





    地質年代