地層名 大洞層【YHo】 おおぼらそう
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代表地点 高山市大洞町付近
形成時期 鮮新世(約310万年前)
概要    おもに高山市街地東部の丘陵地および小八賀(こはちが)川流域に分布し、丹生川火砕流堆積物の分布域とおおよそ重なり、その下位層として分布する。おもに軽石質火山灰、細粒火山灰、凝灰質砂層などからなる。とりわけ軽石質火山灰は、ほとんど未変形のガラス片からなる“ミガキ砂”状であり、堆積構造からも東方からの移動を示唆していることで、丹生川火砕流堆積物の噴出に先行した火砕サージによる堆積物と考えられている。細粒火山灰は淘汰のよい白色火山灰層であり、降下火山灰と考えられている。層厚は30m以下である。
文献
  • 山田直利・足立 守・梶田澄雄・原山 智・山崎晴雄・豊 遙秋(1985)高山地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1図幅),地質調査所,111頁.
  • 写真 大洞層の軽石質火山灰“みがき砂”
    (撮影:中口清浩)
    写真 高山市大洞町に露出する丹生川火砕流の溶結部(上部)・非溶結部(中央部)と大洞層(下部)
    (撮影:木澤慶和)
    丹生川火砕流堆積物
    高原川流域から高山市の市街地周辺、御嶽山北西方へかけての広範囲に分布し、分布面積は500km²以上、噴出量は約100km³と推定されており、最大層厚は200m以上である。おもに斜長石と紫蘇輝石の結晶を多く含むデイサイト質の溶結凝灰岩からなり、堅硬な部分は石材としても利用されている。当初は分布状態などから乗鞍岳付近に噴出源があると考えられたが、槍-穂高連峰に分布する穂高安山岩類と同一のものであることが判明し、そこに形成されているコールドロンから噴出したことが明らかとなった。飛騨山脈地域の急激な隆起により削剥が進んでしまった槍-穂高火山の火山体から溢流した大規模な“アウトフロー火砕流堆積物”に相当する。
    火砕サージ
    火山噴火において固体と気体が混合して地表に沿って流れる現象であり、火砕流にくらべて固体の占める割合が極端に少なく流れる現象である。火砕流の先端から噴出して先導するように発生する場合、火砕流の上面に沸き立つような火山灰の雲から発生する場合、マグマが絡んだ水蒸気爆発から発生する場合などがある。それによる堆積物は地形の起伏に対応して低所で厚く、高所で薄く堆積する。



    地質年代