地層名 赤谷層【NR】 あかだにそう
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代表地点 御母衣(みぼろ)湖東岸 赤谷流域
形成時期 中新世後期(約1,100万年前)
概要    御母衣(みぼろ)湖の東岸にあって、後濃飛期火成岩類庄川火山-深成複合岩体および新第三紀堆積岩類新期安山岩類を覆って分布し、流紋岩質の火山礫凝灰岩からなる。繊維状組織を残した軽石片あるいは黒曜石レンズを含み、まれに炭化植物片も含まれる。かなり若い時代の堆積物と思われるが、求められた年代値からここでは便宜的に新第三紀の火山岩層として北陸層群相当層として扱う。
文献
  • 写真 荘川町赤谷の御母衣湖東岸林道における赤谷層の火山礫凝灰岩
    (撮影:小井土由光)
    写真 御母衣湖西岸にある“荘川桜”から対岸にみられる東岸林道沿いに露出する白色の赤谷層
    (撮影:小井土由光)
    庄川火山-深成複合岩体
    岐阜県北西部の庄川上流域に約40km×25kmの規模で分布する火山岩類と花崗岩類は、濃飛流紋岩および関連する花崗岩類よりも新しい時期に形成されたものであることが明らかにされ、それらを庄川火山-深成複合岩体と命名して濃飛流紋岩と区別して扱うようになった。ただし、まだ全体にわたる詳細な調査・検討がなされていないため、とくに火山岩類についてはおもに分布域の南部において層序区分がなされているだけであり、それ以外の地域では「未区分火山岩類(S0)」としてある。区分された火山岩類は、下位から、六厩層、大原谷溶結凝灰岩層、シツ谷層、金谷溶結凝灰岩層、なお谷層、宮谷溶結凝灰岩層に分けられており、前三者が「庄川コールドロン」と呼ばれるコールドロンの外側ユニット(コールドロン外ユニット)を、後三者がコールドロンの内側ユニット(コールドロン内ユニット)をそれぞれ構成している。貫入岩類は、花崗岩ユニットとしてコールドロンの内部および縁辺部を貫いており、それらの産状や岩相上の特徴などから、落部川文象斑岩、白川花崗岩類(鳩ヶ谷・平瀬・森茂岩体)、御母衣環状岩脈の3種類に分けられる。
    新期安山岩類
    御母衣湖東岸息からその北方にあたる森茂(もりも)川西岸の尾根部にかけて庄川火山-深成複合岩体を覆って分布し、安山岩質の溶岩と凝灰角礫岩からなる。求められた年代値から北陸層群の岩稲(いわいね)累層と呼ばれる地層群の仲間と考えられている。なお、この名称は、庄川火山-深成複合岩体のシツ谷層に玄武岩質安山岩の溶岩が存在するために、それと区別するために付けられたものである。
    後濃飛期火成岩類
    飛流紋岩の岩体周辺にあって、それとよく似た岩石で構成されている火成岩体として、北西側に庄川火山-深成複合岩体、西側に奥美濃酸性岩類と白鳥流紋岩、北東側に大雨見層群と笠ヶ岳コールドロンがそれぞれある。それらの火成活動史が明らかにされるとともに、多くの年代測定値が得られるようになったことで、その主要な活動時期が濃飛流紋岩より新しい古第三紀であることが明確となった。それらをここでは後濃飛期火成岩類と呼ぶ。これらのうち多くの岩体は火山岩類と深成岩類からなる火山-深成複合岩体を構成している。
    新第三紀堆積岩類
    新第三紀の中新世に西南日本の中央部(長野県南部~広島県)に沿って古瀬戸内海と呼ばれる海が形成され、そこに堆積した地層群は岐阜県内では瑞浪層群、愛知県内では設楽(しだら)層群とそれぞれ呼ばれている。設楽層群は岐阜県内には分布しないが、ごく一部が岐阜県境に近い愛知県下に分布する。いずれも地層が薄いこと、岩相が側方へ顕著に変わること、著しい褶曲構造がないこと、化石が多いことなどの共通した特徴をもつ。これらの地層群とは堆積環境がまったく異なるが、ほぼ同じ時期に北陸地域で形成された地層群は北陸層群と呼ばれ、その一部が富山県あるいは福井県との県境付近の岐阜県内に分布するが、それらの詳細は明らかにされていないため、ここでは相当層として扱う。
    地質年代