地層名 秋町花崗岩【Gf】 あきまちかこうがん
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代表地点 白川村 御母衣(みぼろ)湖東岸秋町トンネル付近
形成時期 白亜紀後期(約6,500万年前?)
概要    御母衣湖の東岸において森茂(もりも)川合流部付近に分布し、庄川沿いに通る御母衣断層により切断されたように分布しているが、対岸に分布する福島谷花崗岩とは本来は一連の岩体であると考えられている。福島谷花崗岩と似た岩相をもち、優白質の粗粒黒雲母花崗岩からなる。また、庄川火山-深成複合岩体シツ谷層不整合に覆われ、それに礫として含まれる。
文献
  • 棚瀬充史・亀井玄人・原山 智(2005)庄川火山-深成複合岩体.地団研専報,53号,143-157頁.
  • 写真 白川村御母衣湖東岸の秋町トンネル付近における秋町花崗岩
    (撮影:鹿野勘次)
    写真 準備中
    御母衣断層
    御母衣断層は、御母衣断層系の中心をなす断層で全長約24kmにわたり延びる。地形からみると左横ずれ断層で、西側が隆起する傾向にある。白川村木谷において庄川東岸にある河岸段丘面を横切っており、その西側(川側)を約3.4m隆起させて低断層崖を形成している。1990(平2)年にこの断層崖においてトレンチ調査が実施され、この断層が逆断層であり、7,700年前以降と約2,500年前以降の少なくとも2回にわたる断層活動の跡が確認された。後者には、約400年前の天正地震(1586年)をもたらした断層の活動が含まれることになるが、時間幅がかなり大きいために特定できるような年代値とはなっていない。とはいえ、全体として現在も活発に活動しており、地震を発生する危険度の高い活断層であることは明確となっている。
    福島谷花崗岩
    御母衣湖の西岸にある福島谷入口付近に分布し、優白質の粗粒黒雲母花崗岩からなり、花崗斑岩に近い岩相をともなう。濃飛流紋岩のNOHI-3を構成する下呂火山灰流シートを貫き、それに熱変成作用を与えているが、庄川火山-深成複合岩体のシツ谷層に不整合に覆われ、それに礫として含まれる。御母衣湖の対岸にあたる森茂(もりも)川合流部付近に分布する秋町花崗岩は、庄川に沿って走る御母衣断層により切断されたように分布しているが、本来は一連の岩体であると考えられている。
    庄川火山-深成複合岩体
    岐阜県北西部の庄川上流域に約40km×25kmの規模で分布する火山岩類と花崗岩類は、濃飛流紋岩および関連する花崗岩類よりも新しい時期に形成されたものであることが明らかにされ、それらを庄川火山-深成複合岩体と命名して濃飛流紋岩と区別して扱うようになった。ただし、まだ全体にわたる詳細な調査・検討がなされていないため、とくに火山岩類についてはおもに分布域の南部において層序区分がなされているだけであり、それ以外の地域では「未区分火山岩類(S0)」としてある。区分された火山岩類は、下位から、六厩川層、大原谷溶結凝灰岩層、シツ谷層、金谷溶結凝灰岩層、なお谷層、宮谷溶結凝灰岩層に分けられており、前三者が「庄川コールドロン」と呼ばれるコールドロンの外側ユニット(コールドロン外ユニット)を、後三者がコールドロンの内側ユニット(コールドロン内ユニット)をそれぞれ構成している。貫入岩類は、花崗岩ユニットとしてコールドロンの内部および縁辺部を貫いており、それらの産状や岩相上の特徴などから、落部川文象斑岩、白川花崗岩類(鳩ヶ谷・平瀬・森茂岩体)、御母衣環状岩脈の3種類に分けられる。
    シツ谷層
    庄川火山-深成複合岩体のコールドロン外ユニットの上部層をなし、御母衣湖東岸地域からその北方の森茂(もりも)川流域や御前岳(標高1816m)周辺地域、御母衣湖西岸地域からその北方の大白川下流域へかけての地域に広く分布する。最大層厚が1,000m以上あり、下部は流紋岩質の火山礫凝灰岩や結晶凝灰岩などの火山砕屑岩層からなり、上部は火山礫凝灰岩を主体として、高マグネシウム安山岩の溶岩や砕屑岩類を挟み、下位層である大原谷溶結凝灰岩層の巨大ブロックを多量に含むとともに、石英斑岩や文象斑岩がシート状に貫いている。北俣谷閃緑岩、福島谷・秋町花崗岩、大原谷溶結凝灰岩層を覆い、白川花崗岩類(御母衣岩体)に貫かれる。
    不整合
    重なった地層の間において著しい堆積間隙のある状態で堆積している場合をいい、実際にはその間に隆起・削剥や深成岩類の貫入、構造運動などの事象が起こっていることに着目して用いられることが多い。整合の対語である。

    地質年代