地層名 先濃飛安山岩類【A】 せんのうひあんざんがんるい
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代表地点 御母衣(みぼろ)湖西岸 北俣谷
形成時期 白亜紀前期(約1億年前(?))
概要    白川村の御母衣湖西岸にある北俣谷上流域に分布し、斑晶の乏しい安山岩質の溶岩および火砕岩からなる。北俣谷閃緑岩に貫かれて熱変成作用を受けており、庄川火山-深成複合岩体の火山岩類に不整合に覆われる。この地域の南西方にあたる福井県の九頭竜川上流域に分布し、約1億年前に形成された林谷安山岩と呼ばれる火山岩類とほぼ似た性質の岩石からなり、富山・新潟県境の親不知付近でも類似の岩石が発見されており、この時期に類似の火山活動が起こったことを示している。
文献
  • 山田直利・小井土由光(2005)濃飛流紋岩の分布,基盤、年代および岩相の特徴.地団研専報,53号,15-28頁.
  • 写真 白川村の福島谷における先濃飛安山岩類の安山岩質凝灰角礫岩の転石
    (撮影:小井土由光)
    写真 準備中
    北俣谷閃緑岩
    御母衣(みぼろ)湖西岸の北俣谷中流域およびその西方のアワラ谷下流域に分布し、石英モンゾ閃緑岩~ハンレイ岩からなる。ほぼ1億年前の形成年代を示し、先濃飛安山岩類を貫き、庄川火山-深成複合岩体の火山岩類に不整合に覆われる。アワラ谷中~上流域からその南方にかけて分布するアワラ谷花崗閃緑岩と異なる岩相を示すが、ほぼ同じ形成年代を示し、一続きの岩体と考えられている。
    熱変成作用
    既存の岩石が熱いマグマと接触して岩石組織や組成を変えられてしまう現象で、接触変成作用ともいう。この作用で形成された岩石を熱変成岩あるいは接触変成岩といい、これを「ホルンフェルス」と呼ぶこともある。これはドイツ語で、ホルン=角のように固くなったフェルス=様子を意味しており、もともとは泥岩を源岩とする熱変成岩に用いられた用語であるが、すべての熱変成岩に用いられることが多い。熱をもたらすマグマは接触した岩石に熱を奪われて冷却していくから、熱変成作用は花崗岩体を形成するような大きな容量をもつマグマの周辺で起こりやすい。
    庄川火山-深成複合岩体
    岐阜県北西部の庄川上流域に約40km×25kmの規模で分布する火山岩類と花崗岩類は、濃飛流紋岩および関連する花崗岩類よりも新しい時期に形成されたものであることが明らかにされ、それらを庄川火山-深成複合岩体と命名して濃飛流紋岩と区別して扱うようになった。ただし、まだ全体にわたる詳細な調査・検討がなされていないため、とくに火山岩類についてはおもに分布域の南部において層序区分がなされているだけであり、それ以外の地域では「未区分火山岩類(S0)」としてある。区分された火山岩類は、下位から、六厩川層、大原谷溶結凝灰岩層、シツ谷層、金谷溶結凝灰岩層、なお谷層、宮谷溶結凝灰岩層に分けられており、前三者が「庄川コールドロン」と呼ばれるコールドロンの外側ユニット(コールドロン外ユニット)を、後三者がコールドロンの内側ユニット(コールドロン内ユニット)をそれぞれ構成している。貫入岩類は、花崗岩ユニットとしてコールドロンの内部および縁辺部を貫いており、それらの産状や岩相上の特徴などから、落部川文象斑岩、白川花崗岩類(鳩ヶ谷・平瀬・森茂岩体)、御母衣環状岩脈の3種類に分けられる。
    不整合
    重なった地層の間において著しい堆積間隙のある状態で堆積している場合をいい、実際にはその間に隆起・削剥や深成岩類の貫入、構造運動などの事象が起こっていることに着目して用いられることが多い。整合の対語である。

    地質年代