項目 金生山化石館 きんしょうざんかせきかん
関連項目 事項解説>地学関連施設>金生山化石館
地点 大垣市赤坂町 金生山
見学地点の位置・概要    大垣市街地の北西にあたる標高200mほどの山地は金生山と呼ばれているが、石灰石の採掘が盛んに行なわれ、かなり深く掘削されてしまっているため、実際にはその東端に尾根状に残された部分を指して呼ぶようである。その南端部に金生山化石館がある。国道417号と県道241号大垣池田線の間を結んで金生山の南側を通る金生山産業道路は、その中ほどで短いトンネルをくぐる。その西側からトンネルの上にループ状に上る道路があり、そこに金生山化石館の案内指示がある。なお、国道417号から旧中山道にあたる県道216号赤坂垂井線に進み、虚空蔵口から金生山へ上る道もあり、それに沿って案内指示が整備されているが、かなり狭い道である。
見学地点の解説    金生山化石館には、金生山を構成する赤坂石灰岩から産出する動植物化石が数多く展示してある。その代表的なものは、フズリナ(ヤベイナ・ネオシュワゲリナなど)、二枚貝(ソレノモルファ・シカマイアなど)、巻貝(ベレロフォン・ナチコプシスなど)、オウム貝、腕足類(レプトダスなど)、サンゴ(ワーゲノフィルムなど)、ウミユリ、三葉虫、石灰藻などである。これらには大型の個体が多く見られ、古生代末期近くの特殊な生息環境がうかがえる。また、館内には日本各地から産出した化石の標本も展示してある。
ジオの視点    金生山化石館は、金生山の赤坂石灰岩から産出する化石の研究に生涯を捧げた古生物学者故熊野敏夫氏の業績を紹介し、採取された化石標本の展示・保存を目的として設立された施設である。大型二枚貝化石シカマイアをはじめとして多数の化石が展示され、金生山の自然と文化にかかわる資料の収集・整理・保存を進めている。1996(平8)年に大垣市へ寄贈された。
写真 金生山化石館
(撮影:小井土由光)





地質年代