項目 岩須公園 いわすこうえん
関連項目
地点 大垣市赤坂町 金生山
見学地点の位置・概要    金生山化石館の前の道路を北上し、金生山の最奥部にあたるところに虚空蔵山(こくぞうさん)明星輪寺(みょうじょうりんじ)があり、その真裏(北側)に隣接して岩須公園と呼ばれる岩石公園がある。石灰岩の岩塊だけで構成され、それらの形状により「くぐり岩」、「ごとごと岩」、「屏風岩」などの名称が付けられた岩石の間を回って小道がつけられている。
見学地点の解説    岩巣公園には、塔のような独特の形をした大小の石灰岩の奇岩が林立しており、こうした地形をピナクル(石灰岩柱)と呼ぶ。石灰岩が炭酸ガスを含んだ雨水に溶かされていく際に、岩質や割れ目の入り方などによってその溶け方が異なるために、複雑に交錯する縦方向に伸びる溝が表面に刻まれ、それらはカッレンフェルト(溶食水溝)と呼ばれる。ここのピナクル(石灰岩柱)は、日本の代表といわれる秋吉台(山口県)のものに比べるとかなり小規模であるが、典型的な形をみせており、公園の東端付近ではピナクル(石灰岩柱)の背景に濃尾平野が広がり、独特の景観を見せてくれる。
ジオの視点    大地を構成している岩石はおもに火成岩類からなり、その化学成分は珪酸(SiO2)の化合物である珪酸塩である。ほとんどの堆積岩類も元は火成岩類に由来しているものが多いから、成分としては火成岩類とそれほど変わらず、それらが自然の状態で容易に溶けることはない。ところが石灰岩は、生物起源の堆積岩であり、炭酸カルシウム(CaCO3)という単純な成分からなるため、炭酸ガスを含んだきわめて弱い酸性の水となっている地表水や地下水に触れることで溶けやすくなる。その結果、地表ではカッレンフェルト(溶食水溝)を作り、地下では鍾乳洞となってわれわれに特有のすがたを見せてくれる。
写真 岩須公園におけるピナクル(石灰岩柱)と岩石表面のカッレンフェルト(溶食水溝)
(撮影:小井土由光)





地質年代