温泉名 釜戸温泉 かまどおんせん
所在地 瑞浪市釜戸町中大島3160 源泉最高温度 20.9℃(平21)
 泉 質 放射能泉  pH 7.3
概 要
   瑞浪市の東端部にあたり、JR中央本線の釜戸駅の駅前ともいえるほどすぐそばにある。同じ瑞浪市釜戸町にある白狐(びゃっこ)温泉や御嵩町次月(しづき)の鬼岩公園にある鬼岩温泉と同じ性質の温泉であり、土岐花崗岩に比較的多く含まれる放射性元素が溶け出した放射能泉が湧出しており、約120年の歴史がある。
(準備中) 
ジオ点描
【白狐温泉と共通】 釜戸温泉、白狐温泉、鬼岩温泉はいずれも土岐花崗岩にまつわる鉱泉(温泉)であり、いずれも放射能泉である。土岐花崗岩は苗木花崗岩とほぼ同じ岩相・特徴をもち、放射能元素を多く含む花崗岩体であることも同じである。両岩体は地表面での分布状態から別岩体として区別しているが、地質体としてみれば区別する必要はなく、地下では連続した岩体としてみても支障はない。
 
苗木花崗岩
中津川市苗木付近を中心に濃飛流紋岩の分布域の南部に広く分布し、中央部においても濃飛流紋岩の地下に広く伏在して分布する。濃飛流紋岩の少なくともNOHI-5までを貫き、NOHI-3、NOHI-4およびNOHI-5と火山-深成複合岩体を形成していると考えられている。塊状で、一部斑状の細粒~粗粒黒雲母花崗岩および角閃石含有黒雲母花崗岩からなり、放射線で黒~暗灰色になった石英を多く含み、脈状ないし晶洞状のペグマタイトに富むことを特徴とする。
白狐温泉
JR中央本線の釜戸駅の南西約2.5kmほどの土岐川沿いにあり、土岐花崗岩に比較的多く含まれる放射性元素が溶け出した放射能泉が湧出している。源泉の「白狐温泉神明水」は県の名水50選に選ばれており、傷ついた白狐が高僧に救われ、その恩返しに教えたとされる場所を掘ると温泉が湧き出たとの伝説がある。江戸時代中期以来変わりなく湧き出ているとされ、湯治場としての歴史も古い。
鬼岩公園
木曽川支流の可児川源流付近一帯にあり、土岐花崗岩が作り出した巨岩・奇岩からなる国指定の天然記念物「鬼岩」にまつわる公園である。人造湖の松野湖へ至る“渓流コース”や“岩屋くぐりコース”などのハイキングコースがあり、花崗岩が作る岩壁と周囲の緑あるいは秋の紅葉が織りなすコントラストなど、四季を通じて展開される自然の絶景が満喫できる。また公園内には、土岐花崗岩に比較的多く含まれる放射性元素に起因する放射能泉が湧出する鬼岩温泉がある。
鬼岩温泉
土岐花崗岩の巨岩・奇岩からなる鬼岩公園の中にあって、土岐花崗岩に多く含まれる放射性元素が溶け出した地下水が湧出している。
土岐花崗岩
土岐市周辺に東西約12km×南北約14kmの規模で分布し、周辺に分布する美濃帯堆積岩類に明瞭な熱変成作用を与えている。おもに塊状で、一部斑状の細粒~粗粒黒雲母花崗岩からなる。苗木花崗岩とほぼ同じ時期によく似た岩相・特徴をもつ花崗岩体として形成され、放射線で黒~暗灰色になった石英を多く含み、脈状ないし晶洞状のペグマタイトに富むことを特徴とする。ウラン・トリウムの含有量が多く、それらが被覆層の瑞浪層群の土岐夾炭累層に濃集してウラン鉱床を形成している。
地質年代