せせらぎ街道
せせらぎ街道は高山と郡上八幡を結ぶ全長約70kmにわたる道路の愛称であり、分水嶺の西ウレ峠より北側の川上(かわかみ)川沿いに渓谷が形成され、紅葉狩りの名所としても知られることから、そこに限って呼ぶことのほうが多い。そのほぼ全域が濃飛流紋岩の溶結凝灰岩と花崗閃緑斑岩Ⅱからなり、とりわけ清見町坂下にある「森林公園」では、川上川に流れ込む支谷が堅固な岩石を削って流れ下り、大倉滝(落差約30m)を中心に“百滝”といわれるほど多くの滝と奇岩からなる渓流景勝地になっている。
烏帽子・鷲ヶ岳火山
郡上市と高山市の境界にまたがり、南北約33km、東西約18kmの広範囲に広がる火山体であり、復元総体積は約66km³とされている。その中央部に南北に流れる一色川により大きく烏帽子岳(標高1625m)と鷲ヶ岳(標高1671m)の山体に分けられており、多くの谷により開析されているため、火山地形はほとんど残されていない。九頭竜火山列における他の火山が溶岩層を主体とする成層火山を形成しているのに対して、火砕流や岩屑なだれによる堆積物をともなう点がやや異なる。大規模な山体崩壊堆積物と水底堆積物を境に古期火山と新期火山に分けられており、前者はおもに山体の西部から北部にかけて分布し、阿多岐層を覆い、角閃石斑晶に富む安山岩質溶岩と同質の火砕流堆積物などからなる。後者はおもに山体の南部から東部にかけて分布し、前者に比べて角閃石斑晶の少ない安山岩類からなり、複数枚の溶岩層やblock and ash flow堆積物などで構成され、それらを覆う土石流堆積物などが山麓部に分布する。
地質年代