天然記念物は、自然界にある動物、植物、地質・鉱物のうち、学術上貴重で、わが国の自然を記念するものを対象としており、それらを含んだ一定の範囲も自然保護区域として対象としている。国あるいは地方自治体がそれぞれ法律に基づいて指定しており、国指定のうち世界的あるいは国家的に価値が特に高いものを特別天然記念物としている。それらのうち地質・鉱物に関する国の指定基準は以下のようになっている。
①岩石、鉱物及び化石の産出状態、②地層の整合及び不整合、③地層の褶曲及び衝上、④生物の働きによる地質現象、⑤地震断層など地塊運動に関する現象、⑥洞穴、⑦岩石の組織、⑧温泉ならびにその沈殿物、⑨風化及び浸食に関する現象、⑩硫気孔及び火山活動によるもの、⑪氷雪霜の営力による現象、⑫特に貴重な岩石、鉱物及び化石の標本
岐阜県内にある地質・鉱物分野の天然記念物は、国指定のものが8点(そのうち特別天然記念物は2点)あり、ここではこれらすべてをとりあげてある。岐阜県指定ならびに市町指定のものについては、国指定のように必ずしも同一の基準で指定されているわけではなく、場合によっては実物を確認することがむずかしいものもある。そのため、ここでは県指定のもの11点のうち8点を、市町指定のものについては主要なもの10点をそれぞれとりあげてある。これらを化石9点、岩石5点、断層4点、景観8点に分けて紹介する。
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