対象物  丸山神社のふな岩 まるやまじんじゃのふないわ
場 所 中津川市苗木
 指定者 中津川市  指定年月日 1971(昭46)年10月28日
概 要
   中津川市苗木は木曽川をはさんで中津川市街地の北側にあたる地域に平坦地を作って広がっており、そのほぼ全域にわたり苗木花崗岩が分布している。その中にポツンと独立した小山があり、その小山全体が丸山神社の境内をなしており、すべてにわたり苗木花崗岩の巨石が多数ころがっている。その南側中腹に尾ヒレを持ち上げたイルカかクジラのように見える形状をした長さ約12m、高さ約6mの巨石がバランスよく石の台座に乗っており、それが指定されている。この小山自体が岩盤を露出させているというよりは多くの巨石が人工的に積み上げられたようにも見え、この「ふな岩」にも古代文明云々といった諸説があり、その形成過程については謎に包まれている。
中津川市苗木の丸山神社境内にあるふな岩
(撮影:鹿野勘次)
ジオ点描
   平坦地に独立した小山があると、河川に削り残された残丘と考えるのが一般的である。平坦地は河川により広く浸食されたことで形成され、その際にわずかに削り残した小山の周囲が河川の運搬してきた堆積物で薄く覆われているということになる。ところが低い小山であると、平坦地に人間が岩塊を運んできて積み上げても似たようなものになる。それを証明することは資料が残されていないと意外にむずかしい。
中津川市苗木にある丸山神社のある小山
(撮影:鹿野勘次)
文 献
苗木花崗岩
中津川市苗木付近を中心に濃飛流紋岩の分布域の南部に広く分布し、中央部においても濃飛流紋岩の地下に広く伏在して分布する。濃飛流紋岩の少なくともNOHI-5までを貫き、NOHI-3、NOHI-4およびNOHI-5と火山-深成複合岩体を形成していると考えられている。塊状で、一部斑状の細粒~粗粒黒雲母花崗岩および角閃石含有黒雲母花崗岩からなり、放射線で黒~暗灰色になった石英を多く含み、脈状ないし晶洞状のペグマタイトに富むことを特徴とする。




地質年代