御嶽火山
岐阜・長野県境にあって南北約20km、東西約15kmの範囲に広がる山体をなす。それぞれ数万年ほどの活動期間をもつ古期御嶽火山と新期御嶽火山からなり、両者の間に約30万年にわたる静穏期があり、現在も約3万年にわたる静穏期にあたっている。
新期御嶽火山
御嶽火山において古期御嶽火山の活動終了後に約30万年にわたる長い静穏期を経て始まった活動で、現在の御嶽火山の中央部を構成する火山体を形成した。それらは活動の前半に形成された継母岳火山群と後半に形成された摩利支天火山群に分けられ、両者はほぼ連続的に起こったようであるが、噴出物の性質は明瞭に異なる。これらの活動では新期御嶽テフラ層と呼ばれる大量の降下火砕堆積物を噴出しており、有効な指標となる広域テフラとして中部・関東地方に広く火山灰層を飛ばしており、隣接する乗鞍火山がおもに溶岩を流出させていることと対照的な活動をしている。なお、その活動経過については、山麓部での降下火砕堆積物の層序解析などから異なる見解も出されている。
テフラ
もともとはもともとは“灰”を意味する言葉であり、当初は火山灰や軽石などの火山砕屑物とその堆積物として定義された用語である。実際には降下した火山砕屑物を指す用語として用いられていることが多いが、同一の噴煙から火砕流堆積物と降下火山砕屑物の両方ができることもあり、同時にできたいろいろな火山砕屑物はひとまとめに扱った方が合理的な場合もあり、総称してテフラと呼ばれることもある。
地質年代