地層名 力尾累層 ちからおるいそう AG2
  代表地点  形成時期 更新世前期
(約100~70万年前)
   概 要
   奄芸(あげ)層群の最上部層をなす米野累層不整合に覆う層厚3m以上の地層で、ここでは奄芸層群に含めて扱う。養老山地の南側に連なる多度(たど)・桑名・員弁(いなべ)丘陵などの縁辺部に分布し、全体に礫層が優勢で、泥層や砂層をともなう。岐阜県内での分布は確認されておらず、養老山地南端の県境付近にわずかにみられる。
 
【県境付近の県外地域に分布しているため写真の掲載を略す】 
  文 献 吉田史郎・栗本史雄・宮村 学(1991)桑名地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1地質図幅),地質調査所,154頁.  
奄芸(あげ)層群
東海層群のうち伊勢湾以西の地域に分布する地層群で、東海層群を堆積させた東海湖が徐々に消滅していく時期に堆積した比較的上部の堆積物が多い。多数の火山灰層や褐炭層をはさむことで、内部の層序や対比が比較的よく明らかにされている。それらのうち岐阜県地域ではおもに養老山地の西側および北側において、伊勢北部地域から北方へ向けて分布する大泉累層、米野累層と呼ばれる地層群がおもに分布している。
米野累層
奄芸(あげ)層群における最上位層をなす礫層であり、東海湖が消滅していく時期の堆積物である。鈴鹿山脈の東麓に沿って帯状に分布し、おもに淘汰の悪い大~中礫からなり、おもな礫種は美濃帯堆積岩類の砂岩であり、泥岩やチャートなども含む。層厚は約300mである。この礫層は鈴鹿山脈の急激な上昇隆起の開始を示唆するものである。
不整合
重なった地層の間において著しい堆積間隙のある状態で堆積している場合をいい、実際にはその間に隆起・削剥や深成岩類の貫入、構造運動などの事象が起こっていることに着目して用いられることが多い。整合の対語である。


地質年代