奄芸(あげ)層群
東海層群のうち伊勢湾以西の地域に分布する地層群で、東海層群を堆積させた東海湖が徐々に消滅していく時期に堆積した比較的上部の堆積物が多い。多数の火山灰層や褐炭層をはさむことで、内部の層序や対比が比較的よく明らかにされている。それらのうち岐阜県地域ではおもに養老山地の西側および北側において、伊勢北部地域から北方へ向けて分布する大泉累層、米野累層と呼ばれる地層群がおもに分布している。
米野累層
奄芸(あげ)層群における最上位層をなす礫層であり、東海湖が消滅していく時期の堆積物である。鈴鹿山脈の東麓に沿って帯状に分布し、おもに淘汰の悪い大~中礫からなり、おもな礫種は美濃帯堆積岩類の砂岩であり、泥岩やチャートなども含む。層厚は約300mである。この礫層は鈴鹿山脈の急激な上昇隆起の開始を示唆するものである。
不整合
重なった地層の間において著しい堆積間隙のある状態で堆積している場合をいい、実際にはその間に隆起・削剥や深成岩類の貫入、構造運動などの事象が起こっていることに着目して用いられることが多い。整合の対語である。
地質年代