項目 水鳥断層崖展望台 みどりだんそうがいてんぼうだい
関連項目 事項解説>活断層>岐阜・西濃地域>根尾谷地震断層(水鳥の断層崖)
地点 本巣市根尾水鳥(みどり)
見学地点の位置・概要    根尾川に沿って北上する国道157号沿いに地震断層観察館の案内指示があり、それに従って根尾川を渡り、県道255号根尾谷汲大野線に入って北上すると、地震断層観察館の直前にある樽見鉄道の高架下に階段がある。そこに「断層展望広場」の案内表示があり、それを上ると右方に東屋がある。
見学地点の解説    東屋の中央に大きな写真パネルが設置されており、それは1891(明24)年に起きた濃尾地震の2年後に発表された論文(Koto,1893)に掲載された断層崖の写真を拡大したものである。その撮影場所にこの東屋が建っている。写真にある崖に書かれている“fault”は「断層」を意味する英語であり、そこが一瞬のうちに形成された水鳥断層崖である。形成当時に約6mの比高があった断層崖は崩れたり、洪水で埋められたり、人工的に改変されたりしているため、現在は3.5~5mと低くなっているが、120年以上も経過していてもこれだけの高さが残されていることは、それだけ大きな落差が形成されたことを物語っている。ここから望める景観と当時の写真を比べると現在の状態がよくわかる。断層崖によりずらされている道路が現在の県道255号線にあたり、それが断層崖を緩やかな坂道で横切っている。断層崖の右隅にあたる位置にあるピラミッド状の建物が地震断層観察館である。
ジオの視点    水鳥断層崖の写真を掲載した論文が英文で書かれていたこともあり、この断層崖は世界中に知れわたり、現在でも世界中の教科書に載せられているといわれている。それは形成直後の生々しい、みごとな断層崖であることもさることながら、その最大の理由は、それまでいろいろな説が唱えられていた地震の原因が大地のずれ、すなわち断層運動にあることを明確に示した写真であったことにある。
写真 Koto(1893)による水鳥断層の写真
写真 展望台からの水鳥断層崖
(撮影:小井土由光)





地質年代