項目 水鳥断層崖 みどりだんそうがい
関連項目 事項解説>活断層>岐阜・西濃地域>根尾谷地震断層(水鳥の断層崖)
地点 本巣市根尾水鳥
見学地点の位置・概要    県道255号根尾谷汲大野線を北上して地震断層観察館の前を過ぎると、緩い上り坂になっているところに白い看板「根尾谷断層」が立っている。その両側に北西~南東方向に延びる崖が水鳥断層崖である。
見学地点の解説    白い看板の横には「天然記念物根尾谷断層」の石碑がある。この断層崖は1927(昭2)年に国指定の天然記念物に、1952(昭27)年に特別天然記念物にそれぞれ指定されており、それだけ貴重な自然現象の遺物ということになる。断層崖の両側に耕作地が広がり、崖には農作業用の通路もみられ、一部に石垣の施工も見られるが、原則としてこの崖に人工的に手を入れることはできないようになっている。全体として3.5~5mの段差が維持されており、近づくとかなりの段差であるとの印象を受け、1891(明24)年に濃尾地震を起こして一瞬のうちに形成された当初の約6mという落差を想像すると、大地がもつエネルギーの大きさを感じることができる。
ジオの視点    北西~南東方向に延びている根尾谷断層における主要な動きは左横ずれであり、縦ずれがあった場合にはそのほとんどで南西側が隆起している。ところが、水鳥断層崖では逆に北東側が約6m隆起しており、同時に2~3mの左横ずれも起こした。こうした根尾谷断層としてはかなり特異な変位を起こした場所であるにもかかわらず、水鳥断層崖が国内外を問わず根尾谷断層を象徴する場所として知られているのは、形成直後の写真(Koto,1893)が世界中に示されたことが大きく影響しており、それだけ写真が示した内容の意味が大きく、強いインパクトを残したのであろう。
写真 石碑「天然記念物根尾谷断層」
(撮影:小井土由光)
写真 水鳥断層崖
(撮影:小井土由光)





地質年代