項目 長良橋の閘門 ながらばしのこうもん
関連項目
地点 岐阜市大宮町1丁目/岐阜市長良丘1丁目
見学地点の位置・概要    国道256号は岐阜市街地を北上して長良橋で長良川を渡る。その南側では岐阜公園前付近から長良橋へ向かって緩やかな上り坂となり、その途中の長良橋南交差点において国道が線路を横切っている。同様の線路は長良橋の北側にもあり、長良北町方面への下り坂の途中にある長良丘1交差点において国道が線路を横切っている。いずれにおいても線路の両端にシャッターがついた細長い白壁の建物があり、これが閘門である。
見学地点の解説    閘門は、長良川が著しく増水した時だけシャッターを開けて白壁の建物の中から鉄扉を引き出し、道路を閉ざして堤防を築くようにしてある装置である。長良橋の両側にある閘門までの間がこの付近における長良川の河川敷であり、河川敷の両側にある堤防が閘門の部分だけ切り取られた状態になっている。河川敷にあたる場所に多くの建物や人家などを残したまま堤防が築かれていることになり、閘門が閉じられるようになると、そこの住民は避難するようになっている。また、川沿いの旅館等では1階部分が水没することを前提に駐車場にしてある。ここにわざわざ閘門を設けてある理由は、かつて長良橋上には路面電車が走っており、長良橋につながる道路を急傾斜にできなかったため、堤防の部分を切りとることで緩やかな上り坂の道路を敷設する必要があったためである。
ジオの視点    山間部から濃尾平野に流れ出た長良川は規模の小さい扇状地を形成し、その上に岐阜の市街地が広がっている。長良川はその中央部の高い位置を流れている天井川をなしており、仮に長良川が溢れると両側の市街地へ向かって濁流が流れ下ることになる。それは絶対に避けなければならないため、長良橋付近での堤防の位置を下げて河川敷を広く取り、河川断面を広げて多量の水を下流へ流す措置が取られている。
写真 岐阜城付近から見た長良橋南詰の閘門
(撮影:小井土由光)
写真 長良橋南詰における閘門の建物と鉄扉用の線路
(撮影:小井土由光)





地質年代