項目 | 硬砂岩 | こうさがん |
関連項目 | 凡例解説>美濃帯堆積岩類>砂岩・泥岩 | |
地点 | 海津市南濃町太田 | |
見学地点の位置・概要 | 国道258号がトンネルで貫いている般若谷扇状地において、谷の右岸(南岸)を上流へ向かい、対岸(左岸)にある南濃中学校を過ぎたあたりから扇状地から山地部へ入っていく。左手に海津市の水道用タンクがある付近で巨大な採石場が山腹に見られるようになり、そのすぐ奥に道路ゲートが設けられている。そこより奥は採石を搬出するダンプカーの専用道となり、関係車両に注意する必要があるが、ゲート付近に堅硬な硬砂岩が露出している。 | |
見学地点の解説 | 露出する岩石は、級化層理のような内部構造をまったくともなわない均質塊状の砂岩である。砂岩を構成する砂粒は細粒~中粒であるが、それらよりも大きな破片状の泥岩片が含まれている。こうした砂岩を硬砂岩あるいはグレイワッケといい、養老山地の主体を占める美濃帯堆積岩類の中でかなり広い範囲を占めて分布する岩石である。般若谷にある巨大な採石場では、この岩石を大規模に採掘しており、コンクリート用あるいは道路用などの砕石として多方面に活用されている。 | |
ジオの視点 | 美濃帯堆積岩類における砂岩は、海洋プレートが大陸縁辺に近づき、海溝で沈み込んでいく際に陸域から供給された砕屑物である。それらの多くは海底地すべりにより混濁流としてもたらされたタービダイトを形成しており、養老山地ではとりわけ厚い砂岩層として分布している。 | |
写真 | 般若谷で見られる硬砂岩の接写写真 (撮影:小井土由光) |
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写真 | 般若谷における大規模な採石場 (撮影:小井土由光) |