項目 赤坂石灰岩 あかさかせっかいがん
関連項目 事項解説>鉱山跡・資源>非金属資源>愛宕鉱山・河合石灰鉱山・金生鉱山・清水鉱山・昼飯鉱山
地点 大垣市赤坂町 金生山
見学地点の位置・概要    金生山地域に広く分布する石灰岩を総称して赤坂石灰岩と呼ぶ。そのほとんどは石灰石資源として大規模に掘削されている地域に露出しているため、そこには立ち入ることはできない。その東端に沿ってほぼ南北方向に尾根状に採掘されずに残された部分があり、その最奥部にある虚空蔵山(こくぞうさん)明星輪寺(みょうじょうりんじ)へ向かう道沿いには自由に足を踏み入れることができる。明星輪寺まで行き、その西側をさらに最も西側の山際まで行くと、掘削された壁の直上にあたる場所に至り、眼前にひろがる大規模な掘削現場の全体を眺めることができる。
見学地点の解説    金生山化石館の周辺から明星輪寺へ向かう道沿いにはところどころに石灰岩が露出しており、その中にはネオシュワゲリナ・パラフズリナなど多数のフズリナの化石が含まれている。フズリナは石灰質の殻をもった単細胞の海生動物化石で、古生代石炭紀に現れ、急速に進化してペルム紀末に絶滅した。当時、世界の海に広く分布し、個体数も多く、進化のスピードが速かったため、古生代後期の地層の時代を決める重要な示準化石となっている。赤坂石灰岩からは100種ものフズリナを産するため、ペルム紀中・後期の世界的なフズリナ研究の中心地になっている。
ジオの視点    金生山は高さ200m余りの山であるが、江戸時代の元禄年間(17世紀末)から現在に至るまで長期間にわたり採掘され続けており、山体の中をかなり深くまで掘削しており、山の形も大きく変えられてきている。それでもまだ掘り尽くしていない貴重な地下資源ということにもなる。それは赤坂石灰岩に限らず、条件さえ整えば日本中の多くの石灰岩体においても同様に採掘され続けており、それだけ石灰岩は日本で唯一の豊富な地下資源といってもよい。
写真 赤坂石灰岩の大規模な採掘場
(撮影:小井土由光)
写真 赤坂石灰岩中のフズリナ化石
(撮影:小井土由光)
示準化石
地質時代を特定できる化石のことで、標準化石ともいう。こうした化石となる条件には、個体数が多いこと、地理的な分布が広いこと、特定の形態をもった状態での生存期間が短いことなどが挙げられ、一般には同一系統内では分類単位が大きいほど特定できる時間の幅が長くなる。こうした化石が含まれることで、離れた地域の間で地層の対比と時間の同定が可能となり、「地層同定の法則」が成り立つ。




地質年代