項目 手取層群のシジミ化石 てとりそうぐんのしじみかせき
関連項目 事項解説>天然記念物>化石>牛丸ジュラ紀化石
地点 高山市荘川町牛丸
見学地点の位置・概要    荘川町牧戸で国道158号は高山方面へ、国道156号は富山方面へそれぞれ分かれて向かう。国道156号が牧戸の北隣にある牛丸地区の集落をすぎると、左手に淡緑色の屋根の荘川浄化センターがある。そこへの進入路を入ると正面に「ジュラ紀の化石群地」と記した大きな花崗岩の石碑があり、その奥の広場の中央に四角形の金網で囲まれた大きなカゴが置かれた東屋がある。その金網の中にシジミの化石がびっしりと詰まった泥岩の岩塊が置いてある。
見学地点の解説    この付近には、この地域に分布する手取層群の中で最下部層にあたる牛丸層と呼ばれる砂岩泥岩互層が露出している。この中に内湾や河口部などの汽水域であったことを示すシジミ、カキ、カワニナなどの化石が多量に含まれ、それらが県の天然記念物に指定されている。指定当時の「天然記念物牛丸侏羅紀化石産地」と刻まれた石碑が小屋の前に立っているが、金網の中の泥岩はかなり風化してしまっている。広場の奥に赤色の鉄柱の吊り橋があり、その手前から左手へ下りる小道がある。それをたどって吊り橋の下の庄川河床まで下りると、シジミの化石を大量に含んだ泥岩層がみられる。化石は地層面に沿って密に重なっており、それを地層の断面でみると貝殻が溶けて抜けた跡としてツメのような模様として見えることから、これを「ツメ石」と呼んでいる。ただし、吊り橋の下は御母衣(みぼろ)湖の水位が上がると水没してしまう範囲であり、その場合には見ることはできない。
ジオの視点    県の天然記念物は「牛丸ジュラ紀化石」として指定されたが、指定された当時にはこの地域に分布する手取層群が中生代ジュラ紀の地層と考えられていたためであり、現在ではやや新しく、中生代白亜紀前期の地層と考えられている。
写真 荘川町牛丸にある県指定天然記念物「牛丸ジュラ紀化石」の展示広場
(撮影:小井土由光)
写真 荘川町牛丸の庄川河床に露出する泥岩層中に含まれるシジミ化石の溶けた跡「ツメ石」
(撮影:小井土由光)





地質年代