項目 御母衣断層の低断層崖 みぼろだんそうのていだんそうがけ
関連項目 事項解説>活断層>飛騨地域>御母衣断層(概説)
地点 大野郡白川村木谷(きだに)
見学地点の位置・概要    白川村平瀬の温泉街の庄川対岸に白弓スキー場がある。その麓にある集落が木谷地区であり、その北端から村道は大きなカーブを描いて木谷橋へ向かって下っていき国道156号につながる。下り始める位置の右側(東側)に木谷多目的集会施設があり、それと村道を挟んで反対側に、耕作地を隔てて高さ2~4mの崖が村道とほぼ平行に延びている。これが御母衣断層の低断層崖である。
見学地点の解説    木谷の集落は庄川の現河床から比高約35mの高さに広がる段丘面の上にある。低断層崖はこの段丘面上に庄川とは反対側を向いて、西側(川側)が上昇して約3.4mの比高をもって北北西~南南東方向に延びている。ここではトレンチ調査が2ヶ所で行われており、7,700年前以前と2,500年前以降の2回にわたる活動イベントが認められている。とりわけ後者にかかわるイベントとしては1586(天正13)年の天正地震をもたらした断層の活動が含まれることになるが、時間幅がありすぎるため特定はできない。
ジオの視点    御母衣断層は、北方へ加須良(かずら)断層、南方へ三尾河(みおご)断層へと連なり、富山県南西部から白川村、高山市荘川町を経て、郡上市北東部まで全長約70kmにわたる長大な御母衣断層系を形成している。県内にある同方向に延びる阿寺断層系や根尾谷断層系に匹敵する第一級の活断層系であるが、それらに比べてその活動には謎が多い。かつては“陸の孤島”ともいわれた豪雪地帯の白川郷には生活している人が少なく、歴史上の記録が残りにくいことがその背景にある。
写真 白川村木谷において南側から見た御母衣断層の低断層崖
(撮影:小井土由光)
写真 白川村木谷において北側から見た御母衣断層の低断層崖
(撮影:木澤慶和)





地質年代